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ベートーヴェン ハンマークラヴィーアソナタの管弦楽編曲

 昨日に引き続いての話題です。ベートーヴェンのピアノソナタを管弦楽用に編曲した例として、第29番「ハンマークラヴィア」をオケ用に編曲した演奏がある、というお話です。

 編曲者はフェリックス・ワインガルトナー。フルトヴェングラーよりも古い指揮者です。ベートーヴェン解釈の権威ともいわれた人で、SP録音での交響曲全集も残しています。

 感想としてはやや複雑です。ピアノの原曲とはだいぶ雰囲気が違って聴こえます。鍵盤楽器らしい躍動感がだいぶ後退してしまいます。ピアノのパートを弦楽器に渡してしまうと、どうしてもレガート奏法が主体になってしまうからだと思います。

 でも、ところどころでは、なるほどと思わせるようなベートーヴェンらしい響きが現れます。また弦楽器と管楽器の使い分けをどうするかなども、興味深く感じられます。ワインガルトナーがベートーヴェンの管弦楽法をどのように理解していたかを垣間見れる、という意味では貴重な録音だと思います。一番残念なのが、録音技術が貧弱なことです。昔のことですのでいたし方ないのですが。

 比較になるかどうかはわかりませんが、ブラームスではピアノ四重奏曲第1番のオケ編曲版がしばしば演奏会でも取り上げられていて、CDも沢山でています。このハンマークラヴィーアも一つくらい現代の録音があってもよいのでは、と思いますが、まだ出会えていません。

全集の中に入っています 単発でも出ています   原曲の重厚な演奏
   

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ベートーヴェンのピアノソナタのオーケストラ編曲

 3/4の記事の続編です。ベートーヴェンの交響曲のピアノ用編曲を取り上げましたが、今度は逆のパターンを探してみます。ピアノソナタを管弦楽用に編曲したものです。多分、最も有名なのが、8番「悲愴」の第2楽章。これはポピュラ-にも編曲されているので、ここでは除外します。

 私が探した限り、見つかったのは2つです。いずれも古い録音で、古き良き時代が感じられるものです。現代ではやはり、流行らないのでしょうか。

 一つ目は第14番「月光」の第1楽章です。幻想的な緩徐楽章です。編曲はレオポルド・ストコフスキー。トランスクリプションの大家です。自演の古い録音もあるのですが、後世の指揮者の新しい録音もいくつかあります。

 ピアノの点描的は音列ではなく、弦楽器のレガート奏法で演奏される「月光」は、原曲の印象とはだいぶ違いますが、これはこれで面白いと思います。あわよくば全楽章の編曲を聴いてみたいとも思いますが、多分3楽章なんかはオケへの編曲は不可能と思うし、あまり魅力的になる感じがしません。

 もう1曲。これは第29番なのですが、その話はまた次の機会に。

サヴァリッシュの録音   Kunzelとシンシナティ    自作自演もあります
  

テーマ : クラシック
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夢の音楽堂 ベルリンフィル 3/20(木) 7時間 放送予定

 1週間先の話ですが、ベルリンフィルのハイビジョン映像を特集した7時間という長時間番組がBS-hiで放映されます。13:00~20:00だそうです。それまでにDVDレコーダーの空き容量を確保しなくては。

 放送予定の曲目は、まず、ラトル指揮の展覧会の絵。この前のジルヴェスターコンサートのものでしょうか。それから、フルトヴェングラー指揮のティルオイレンシュピーゲル。指揮棒が動きが複雑で打点がほとんど判らないような伝説的な指揮ぶりが見られる、昔見たあの白黒映像だと思うのですが、フィルムからハイビジョン映像化されたとのことで、どれくらい画質がよくなったかが見ものです。

 カラヤン指揮のブラームスの4番の第4楽章。これはどの映像でしょうか?見たことないかもしれません。

 ザンデルリンクのショスタコーヴィチ第8番。これは昔VHSに録りました。1997年のことでした。ハイビジョンでの再放送はありがたいです。伝説的名演です。

 アバド指揮のヴェルディのレクイエムからリ・ベラメ。これも昔録ったかもしれません。もちろんそのときは全曲が放送されました。

 ヴァント指揮のブルックナー9番。私が敢えて言うまでもなく、ベルリンフィルを指揮したヴァントの晩年のブルックナーはどれも素晴らしいと思います。

 再放送でないのがチャイコフスキーの悲愴。指揮は小澤征爾さんです。カラヤン生誕100年の記念演奏会の映像とのことです。

 元ベルリンフィルの土屋邦雄さんがゲストとして登場します。司会はおなじみ高橋美鈴さん。クラシックの番組にはやはりこの人です。好感が持てます。それから作曲家の吉松隆さんがゲストです。

ヴァントのブルックナー  フルヴェンのCDはこれ これはベルリン響です  
  

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アバドのバッハ ブランデンブルク協奏曲 3/8 放映予定

 明日、3/8(土)、BS-hiで放映予定です。ハイビジョン・ウィークエンドシアターという番組ですが、今月はアバド特集です。最近のルツェルン音楽祭の映像が主ですが、アバドとバッハという組み合わせは珍しいです。ブランデンブルク協奏曲は昔、たしかミラノ・スカラ座のオケとの録音があったと思いますが、ずいぶん昔のものだったと思います。

 ブランデンブルク協奏曲は曲ごとに編成がすべて違う、ユニークな曲集です。全曲演奏というのはバラエティに富んでいて聴く方にとって大変楽しいものです。人数が多かったり少なかったり、曲想も合奏協奏曲風、独奏協奏曲風、室内楽風、トリオソナタ風など、実に多彩で、6曲通しても音楽的にも視覚的にも飽きることはありません。

 全曲演奏会をやるときにどの曲順で演奏するかというのが、演奏者によっていろいろと流儀があって面白いです。第6番が比較的地味ですので、素直に番号順で演奏するケースは少ないのではないかと思います。今度放映されるアバドの演奏会は135642の順です。金管楽器が入る編成多い曲を最初と最後にもってくるという趣向です。(私の好みでは第5番を最後の持ってくるなんていうものよさそうな気がします)。

 ただ、演奏する側(主催者側)の苦労もあると思います。ます、出演者の効率が大変悪いです。つまり、全6曲の演奏会で1曲しか出番のない奏者がたくさんいます。第1番ではホルン2人とオーボエ2人(第1番はオーボエ3人ですがそのうち一人は第2番での出番があります)、第2番ではトランペット、第4番ではリコーダー1人(第4番はリコーダー2本ですが、一人は第2番でも出番があります)、第5番ではフルート、第6番ではヴィオラ・ダ・ガンバが2人。

 これらの方達が一晩の演奏会で1曲しか出番がないことになります。ですから、全曲演奏会というのはとても贅沢なものだと思います。

うーむ、廃盤ですか    現代楽器で豪華ソリスト 日本勢も頑張っている
  

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金管アンサンブルで聴く、「展覧会の絵」

 マリインスキー・ブラス・アンサンブルの演奏会の様子をBS-hiで観ました。メインはムソルグスキー原曲の「展覧会の絵」。編成は打楽器と金管楽器のみ、という編成。初めて聴く編曲でした。

 「展覧会の絵」はもともとピアノ独奏のための曲です。原曲で聴くのもなかなか面白く、私は昔、ラザール・ベルマンのLPレコードを愛聴していました。でも現在演奏される機会としては編曲された版、特にラヴェル編曲のものの方が圧倒的に多いはずです。

 マリインスキー・ブラスの演奏はラヴェル版を金管版に再アレンジしたような編曲でしたので比較的どんな響きになるのかは予想はできたのですが、やはり全曲演奏するとなると超難曲になってしまいます。通常弦楽器でやるような細かいパートもすべて金管楽器でやるわけですから、当然といえば当然です。

 こういう編曲は、きっとプロの方でも超一流のメンバーが集まらないとサマにならないのではないでしょうか。それに敢えて挑戦する彼らの心意気と、それを実際に成し遂げてしまう演奏能力には感服しました。

 3年くらい前にロシアン・ブラスでやはり展覧会の絵の演奏をBSで観たことがあります。こちらは打楽器なしで金管楽器のみでした。これを観たときもすごいと思いました。ロシアのオーケストラの金管セクションはタフだとよく言われますが、その強靭さをみせつけられたような気がしました。

 この「展覧会の絵」という曲にはさまざまな編曲があります。管弦楽版だけでも10に達するくらい!?、ギター版、ピアノ協奏曲版、などもあるらしいです。実は金管版の最初の録音はロシア勢ではなくてPJBE(フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル)のようです。他にもいろいろありそうなので少しずつ変わったものにも手を出していきたいと思っています。

この人数でできてまう!いろいろまとめて聴ける こんなのもあるのか?
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かるべりゅういち

Author:かるべりゅういち
子供の頃からクラシック音楽を聴き始めて30年になります。職業は普通の会社員です。今はもっぱら自宅でDVDやBS放送で音楽鑑賞しています。

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