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The Decca Sound を聴く その21 ヤンセンが弾くヴァイオリン協奏曲

21枚目のCDです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
録音: 2009年7、8月、フリードリヒ・エーベルト・ハレ、ハンブルグ(ベートーヴェン)、2009年7月、アビーロード・スタジオ1、ロンドン(ブリテン)
1ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
2ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第2楽章 ラルゲット
3ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第3楽章 ロンド - アレグロ
4ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第1楽章 モデラート・コン・モート
5ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第2楽章 ヴィヴァーチェ
6ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第3楽章 パッサカリア - アンダンテ・レント

 2009年の録音をこの50枚組のBoxに入れてくるDeccaの太っ腹というか、この若いアーティストを売りたいという商業的意図も感じるのですが、ほとんど最新録音といえるこのCDが一枚当たり200円以下で聴けたことにまず幸運を感じました。

 ジャニーヌ・ヤンセン(1978 -)は現在世界で最も人気のあるヴァイオリニストの一人といってもいいでしょう。オランダ出身で「芸術性と美貌を兼ね備えた」という表現がよく用いられています。「美貌」の基準なんていうものは当然人によって異なるとは思いますが、現役の美貌ヴァイオリニストということでは、他にはアナスタシア・チェボタリョーワ(1972 - )やニコラ・ベネディッティ(1987 - )なども挙げられるでしょう。そんな中でヤンセンが現在世界の檜舞台で大活躍しているのは、2003年にDeccaと専属契約をしたことも一つの理由になっているのでは、と思います。

 彼女の経歴を見るといくつかの受賞歴はあるものの、チャイコフスキーやロン・ティボーのような有名なコンクルールで優勝したというなことはなく、早くから地元のコンセルトヘボウのソリストとして招聘されるなどしてキャリアを築いて来た、いわゆるコンクール非依存型キャリアと言えると思います。日本でもN響に招かれて、ブルッフやチャイコフスキーの協奏曲を披露しています。

 ベートーヴェンの冒頭のティンパニはドイツ・カンマーフィル独特のもので、皮と硬いバチによる不思議な響きがします。金管とのトゥッティでは余り気になりませんが、冒頭の完全なソロで聴くとちょっと不思議な感じです。ヤンセンの演奏は若々しく張りがあって瑞々しい音色。高音部の響きの美しさをよくとらえた録音で、丁寧に、そしてのびのびと弾いている印象を受けます。

 やはりこのCDの聴きどころはブリテンでしょう。デビュー当時からこの曲を録音したい、と本人が熱望していたそうで、特別のこだわりが感じられる、気合いの入った演奏になっています。特に第2楽章のカデンツァは魂のこもった名演で、ロンドン交響楽団も緊張感のある伴奏で支えています。


紙ジャケのデザインはこれ

     
確かに美貌を売りにしているようなジャケットですな。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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