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The Decca Sound を聴く その22 カラヤンの「惑星」ほか

22枚目のCDです。

ホルスト:組曲[惑星」/同:どこまでも馬鹿な男からバレエ音楽/同:エグドン・ヒース
演奏: 指揮・・・ヘルベルト・フォン・カラヤン、ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(惑星)、指揮・・・サー・エイドリアン・ボールト、ロンドン交響楽団(惑星以外)
録音: 1961年9月、ソフィエンザール、ウィーン(惑星)、1961年3月、キングズウェイホール、ロンドン(惑星以外)

1組曲「惑星」 Op.32火星
2組曲「惑星」 Op.32金星
3組曲「惑星」 Op.32水星
4組曲「惑星」 Op.32木星
5組曲「惑星」 Op.32土星
6組曲「惑星」 Op.32天王星
7組曲「惑星」 Op.32海王星
8どこまでも馬鹿な男 Op.39導入部 - 地の精の踊り
9どこまでも馬鹿な男 Op.39水の精の踊り
10どこまでも馬鹿な男 Op.39火の精の踊り
11エグドン・ヒース Op.47

 ホルストの作品を集めたCDです。今までのCDと違うのはボーナストラックが全く違う演奏者、ということ。50枚の中に入らなかった、英国の大御所、サー・エドリアン・ボールトをどこかに入れたくて作曲者がホルストだということでこのカラヤンのCDに入れた、というのは深読みしすぎでしょうか。しかしこのボーナストラック、思わぬ拾いものという感じで楽しく聴けました。録音も良いです。

 ところで、この50枚のデッカのシリーズ、やはり自国である英国の作曲家や演奏家を積極的に取り上げる傾向がみられると思います。ホグウッドのところではモーツァルトではなくパーセルでしたし、このカラヤンもベストワンといったときにはR.シュトラウスのツァラトゥストラ、とかヴェルディのオテロのハイライト、などという選択肢もあったと思います。やはりここでもイギリスの作曲家ホルストが取り上げられています。

カラヤンの惑星は、ベルリンフィルとのデジタル録音もありますし、演奏の精度や細かな詰め完成度では他にも優秀な演奏もあると思いますが、このウィーンフィルとの録音は「惑星」という曲の知名度を上げたという意味で歴史的にも価値の高い演奏といえるでしょう。

 火星の最初で弦楽器全員が一斉にのコルレーニョ奏法(弓の毛の部分ではなく、木の部分で弦を叩くように弾く奏法)で五拍子のリズムを刻む部分がありますが、ソフィエンザールのホールが眼前に広がるかのような空気感の感じられる録音には感服します。デッカが録音するとたとえウィーンフィルでも、華麗で絢爛な現代的なサウンドになってしまうのですが、水星の途中で出てくるヴァイオリンとチェロのソロの艶かしさなんはやはりウィーンフィルっぽさを感じます。

   
紙ジャケのデザインはこれ   在庫ありですね。 
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The Decca Sound を聴く その21 ヤンセンが弾くヴァイオリン協奏曲

21枚目のCDです。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
録音: 2009年7、8月、フリードリヒ・エーベルト・ハレ、ハンブルグ(ベートーヴェン)、2009年7月、アビーロード・スタジオ1、ロンドン(ブリテン)
1ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
2ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第2楽章 ラルゲット
3ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.60第3楽章 ロンド - アレグロ
4ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第1楽章 モデラート・コン・モート
5ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第2楽章 ヴィヴァーチェ
6ブリテンヴァイオリン協奏曲 Op.15第3楽章 パッサカリア - アンダンテ・レント

 2009年の録音をこの50枚組のBoxに入れてくるDeccaの太っ腹というか、この若いアーティストを売りたいという商業的意図も感じるのですが、ほとんど最新録音といえるこのCDが一枚当たり200円以下で聴けたことにまず幸運を感じました。

 ジャニーヌ・ヤンセン(1978 -)は現在世界で最も人気のあるヴァイオリニストの一人といってもいいでしょう。オランダ出身で「芸術性と美貌を兼ね備えた」という表現がよく用いられています。「美貌」の基準なんていうものは当然人によって異なるとは思いますが、現役の美貌ヴァイオリニストということでは、他にはアナスタシア・チェボタリョーワ(1972 - )やニコラ・ベネディッティ(1987 - )なども挙げられるでしょう。そんな中でヤンセンが現在世界の檜舞台で大活躍しているのは、2003年にDeccaと専属契約をしたことも一つの理由になっているのでは、と思います。

 彼女の経歴を見るといくつかの受賞歴はあるものの、チャイコフスキーやロン・ティボーのような有名なコンクルールで優勝したというなことはなく、早くから地元のコンセルトヘボウのソリストとして招聘されるなどしてキャリアを築いて来た、いわゆるコンクール非依存型キャリアと言えると思います。日本でもN響に招かれて、ブルッフやチャイコフスキーの協奏曲を披露しています。

 ベートーヴェンの冒頭のティンパニはドイツ・カンマーフィル独特のもので、皮と硬いバチによる不思議な響きがします。金管とのトゥッティでは余り気になりませんが、冒頭の完全なソロで聴くとちょっと不思議な感じです。ヤンセンの演奏は若々しく張りがあって瑞々しい音色。高音部の響きの美しさをよくとらえた録音で、丁寧に、そしてのびのびと弾いている印象を受けます。

 やはりこのCDの聴きどころはブリテンでしょう。デビュー当時からこの曲を録音したい、と本人が熱望していたそうで、特別のこだわりが感じられる、気合いの入った演奏になっています。特に第2楽章のカデンツァは魂のこもった名演で、ロンドン交響楽団も緊張感のある伴奏で支えています。


紙ジャケのデザインはこれ

     
確かに美貌を売りにしているようなジャケットですな。

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子供の頃からクラシック音楽を聴き始めて30年になります。職業は普通の会社員です。今はもっぱら自宅でDVDやBS放送で音楽鑑賞しています。

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