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The Decca Sound を聴く その20 ホグウッドのパーセル

20枚目のCDです。

パーセル:歌劇「ディドーとエネアス」
演奏: 指揮・・・クリストファー・ホグウッド、エンシェント室内管弦楽団、合唱団、ソプラノ・・・キャサリン・ボット(ディドー)、エマ・カークビー(ベリンダ)、ジュリアン・ベアード(第2の女)、エリザベス・プライデイ(第1の魔女)、カウンター・テノール・・・マイケル・チャンス(精霊)、トレブル・・・ダニエル・ロックマン(水夫)、テノール・・・ジョン・マック・エインズリー(エネアス)
録音: 1992年9月、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール、ロンドン

1序曲
2第1幕 「花の顔くもらせる憂いの雲をはらいたまえ」(ベリンダ、合唱)
3第1幕 「ああ、ベリンダ、口には出せぬ苦しみが」(ディドー、ベリンダ)
4第1幕 「二人の君主が結ばれる時」(合唱)
5第1幕 「かの雄々しさはいずこより生ぜしものか?」(ディドー、ベリンダ)
6第1幕 「あとの危険は恐れたもうな」(ベリンダ、第2の女、合唱)
7第1幕 「御覧じませ、客人のお出ましです」(ベリンダ、エネアス、ディドー)
8第1幕 「武人の心に深手負わせる矢を放つもの」(合唱)
9第1幕 「わがためならずとも」(エネアス)
10第1幕 「愛よ、征服するまで手をゆるめてはならぬ」(ベリンダ)
11第1幕 ギターによるチャコニー
12第1幕 「丘にも谷にも」(合唱)
13第1幕 歓びの踊り
14第2幕 魔女たちの前奏曲-「夜道行く孤独な旅人おびやかし」(魔法使いの女、第1の魔女)
15第2幕 「害悪流すはわれらの喜び」(合唱)
16第2幕 「われらの憎むはカルタゴの女王」(魔法使いの女、合唱、第1の魔女)
17第2幕 「われらの深き洞穴で」(合唱)
18第2幕 復讐の女神たちのエコー・ダンス
19第2幕 リトルネッロ-「この美しき山峡」(ベリンダ)
20第2幕 ギターによるグランド
21第2幕 「ダイアナはこの山愛でて」-リトルネッロ(第2の女)
22第2幕 「見たまえ、曲がれるわが槍先に」(エネアス、ディドー)
23第2幕 「いそぎ町へ帰りたまえ」(ベリンダ、合唱)
24第2幕 「王子よ、立ち止まり、偉大なる大神の命を聞け」(精霊、エネアス)
25第2幕 リトルネッロ
26第3幕 前奏曲-「いざ行け、仲間のものよ」(水夫、合唱)
27第3幕 水夫たちの踊り
28第3幕 「見よ、旗も幟もひるがえり」(魔法使いの女、魔女たち)
29第3幕 「破壊はわれらの喜び」(合唱)
30第3幕 魔女たちの踊り
31第3幕 「そなたの助言はすべてむなしく」(ディドー、ベリンダ、エネアス)
32第3幕 「偉大な心はおのれを欺き」(合唱)
33第3幕 「ベリンダ、そなたの手を」-「土の中に横たえられし時」(ディドー)
34第3幕 「力なく翼を垂れしキューピッドよ」(合唱)

 この録音はDeccaレーベル傘下のオワゾリールレーベルとして世に出ていたものです。クリストファー・ホグウッド(1941 - )はオワゾリールに幅広いレパートリーの録音を残しています。中でも、モーツァルトの交響曲全集は当時、オリジナル楽器による最先端の演奏として大変話題になりました。その一方で、彼は自国の作曲家の作品を優れた録音で残すという使命もきちんと果たしています。ヘンリー・パーセル(1659-1695)の6枚組の劇音楽全集がその代表的なものです。これを完成した後に取り組んだ作品がこの「ディドーとエネアス」でした。当時のホグウッドの基本スタンスである学術的考証へのこだわりが随所に盛り込まれ、テンベリーの筆者譜に基づいて魔法使い役をバスに歌わせたりしています。

 歌手はオワゾリールの看板歌手が勢ぞろいです。面白いのは、エマ・カークビーがディドではなくベリンダを歌っているところ。国内盤の解説の中で、磯山雅さんによれば、カークビーに合っているのはディドではなくベリンダの方で、ディド役のボットとの理にかなった対比が生み出されている、と解説されています。

 オーディオ的な楽しみとしては、古楽器オーケストラの曇りのない透明なサウンドはもちろんのこと、効果音に要注目です。劇中の稲妻や雷鳴の音が入っているのですが、これにはドロットニングホルム劇場の舞台装置が使われています。ドロットニングホルム劇場といえば、18世紀の舞台装置を残している歴史的にも貴重な劇場で、ここを含むドロットニングホルム宮殿は、現在世界遺産になっています。

     
紙ジャケのデザインはこれ 11/15に再入荷予定だそうです。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その19 ハイティンクのショスタコーヴィチ

19枚目のCDです。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/同 第9番
演奏: 指揮・・・ベルナルト・ハイティンクロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団(第5番)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(第9番)
録音: 1981年5月、コンセルトヘボウ大ホール、アムステルダム、1980年1月(第5番)、キングズウェイ・ホール、ロンドン(第9番)

1交響曲第5番 ニ短調 Op.47第1楽章 モデラート
2交響曲第5番 ニ短調 Op.47第2楽章 アレグレット
3交響曲第5番 ニ短調 Op.47第3楽章 ラルゴ
4交響曲第5番 ニ短調 Op.47第4楽章 アレグロ・ノン・トロッポ
5交響曲第9番 変ホ長調 Op.70第1楽章 アレグロ
6交響曲第9番 変ホ長調 Op.70第2楽章 モデラート
7交響曲第9番 変ホ長調 Op.70第3楽章 プレスト
8交響曲第9番 変ホ長調 Op.70第4楽章 プレスト
9交響曲第9番 変ホ長調 Op.70第5楽章 アレグレット - アレグロ

 ベルナルト・ハイティンク(1929 - )は今更説明の必要はないでしょう。今や指揮界の大御所ともいえる存在です。彼がレコード会社のとって偉大だったことの一つの理由は、レパートリーの広さではないでしょうか。

 1960年代からのPhilipsレーベルのクラシックレコードのラインナップの広さはハイティンクの功績なしには語れないのではないでしょうか。ベートーヴェン、チャイコフスキー、ブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチ、V.ウィリアムズの交響曲全集をすべて仕上げた指揮者は他にいないのではないでしょうか。オペラのレバートリーも広いです。Deccaだとアンセルメやデュトワの担当だったフランスものやストラヴィンスキーまで手を広げています。ただ、よく考えてみると、シベリウス、ドヴォルザーク、モーツァルトやハイドンのの交響曲なんかはあまり聞いたことがなく、その辺が不思議です。

 1970年代後半になって、ハイティンクがDeccaレーベルにも録音するようになった初期のころのプロジェクトがこのショスタコーヴィチでした。ロンドンフィルとコンセルトヘボウの両方のオケを使っていたのが特徴です。内訳は以下のようになっています。

 コンセルトヘボウ・・・5,6,8,11,12,13,14
 ロンドンフィル・・・1,2,3,4,7,9,10,15

 録音時期は1977年から1984年で、アナログからデジタルへの移行期です。録音方式の変遷と2つのオーケストラ、その割には音質のバラツキが少なく、録音エンジニアの苦労と工夫が感じられます。

 演奏は、ロシア風の骨太の演奏、というより西欧風の洗練されたショスタコーヴィチ、という感じで、複雑なオーケストレーションを冷徹に、かつ精緻に描き出しました、という録音で、くせのない、安心して聴ける演奏です。ただショスタコーヴィチを「安心して」聴くことには好みが分かれるとこととは思いますが。

 この録音が出てきた当時、全集といえば私の記憶ではコンドラシン盤くらいしかまともなものがなく、録音の良いハイティンク盤の登場の価値は高かったです。ロジェストヴェンスキー盤が出たのはもう少し後ですし、今ではそのほかにも枚挙にいとまがないくらいいろいろな全集を選べるようになりましたし、ショスタコーヴィチは全集で買うよりもバラでそれぞれ好みの盤を買っていく方がよいのかも知れませんが、それでもこのハイティンク盤は今でもスタンダードの一つと言ってよいのではないでしょうか。

   
紙ジャケのデザインはこれ 全集はこれ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その18 フレイレのブラームス ピアノ協奏曲第1番

18枚目のCDです。

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/シューマン:謝肉祭
演奏: 指揮・・・リッカルド・シャイー、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ピアノ・・・ネルソン・フレイレ
録音: 2006年2月、ゲヴァントハウス、ライプツィヒ(ブラームス)、2002年12月、イタリア語ラジオテレビ放送局スタジオ、ルガーノ、スイス(シューマン)

1ブラームスピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15第1楽章 マエストーソ - ポコ・ピウ・モデラート
2ブラームスピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15第2楽章 アダージョ
3ブラームスピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15第3楽章 ロンド - アレグロ・ノン・トロッポ
4シューマン謝肉祭 Op.9前口上
5シューマン謝肉祭 Op.9ピエロ
6シューマン謝肉祭 Op.9アルルカン
7シューマン謝肉祭 Op.9優雅な円舞曲
8シューマン謝肉祭 Op.9オイゼビウス
9シューマン謝肉祭 Op.9フロレスタン
10シューマン謝肉祭 Op.9コケット
11シューマン謝肉祭 Op.9応答
12シューマン謝肉祭 Op.9
13シューマン謝肉祭 Op.9踊る文字(ASCH-SCHA)
14シューマン謝肉祭 Op.9キャリーナ
15シューマン謝肉祭 Op.9ショパン
16シューマン謝肉祭 Op.9エストレッラ
17シューマン謝肉祭 Op.9再会
18シューマン謝肉祭 Op.9パンタロンとコロンビーヌ
19シューマン謝肉祭 Op.9ドイツ風ワルツ;パガニーニ
20シューマン謝肉祭 Op.9告白
21シューマン謝肉祭 Op.9散歩
22シューマン謝肉祭 Op.9休息
23シューマン謝肉祭 Op.9フィリスティンたちに対抗するダビッド同盟員の行進

 ネルソン・フレイレ(1944 - )はブラジルのビアニスト。早熟の天才で5歳で最初のリサイタルを開いたとか。同世代の南米出身の演奏家としてはアルゼンチン出身のダニエル・バレンボイム(1942 - )がいますが、彼の最初のリサイタルが7歳のときですから、両者の最初のリサイタルの年は奇しくも同じだった、ということになります。

 2006年と2002年の録音ですから、技術的には完成の域に達していて、文句なしです。ブラームスでは低音域に重心がある、重厚な音づくりになっています。このブラームスの協奏曲はグラモフォン賞も受賞しています。

 フレイレの名前が有名になってきた頃は、アルゲリッチとのデュオをやっていたころで、ラヴェルのラ・ヴァルスやバルトークの2台のピアノと打楽器のためのソナタなどが名盤としてよく知られています。最近でも2009年のザルツブルグ音楽祭でのライブのCDが話題になりました。

 ネルソン・フレイレというとデュオ奏者のイメージが強くなりすぎてしまったことは、本人にとって果たしてどうたったのでしょうか。良かったのか悪かったのかは微妙なところだと思います。演奏活動としてはソリストとして世界を股にかけて大活躍しているのだと思いますが、ソロの録音が意外と少ないのです。最近ようやく、シューマンやベートーヴェンなどがリリースされてきました。これから円熟の領域にはいっていくフレイレの今後のCDに期待したいと思います。このCDのボーナストラックに収められているシューマンの謝肉祭も、間の取り方や力の加減などに少し貫禄がでてきたように思います。

   
紙ジャケのデザインはこれ 最近のデュオ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その17 フレミングのオペラ・アリア集

17枚名のCDです。

ルネ・フレミング オペラ・アリア集
演奏: 指揮・・・ゲオルグ・ショルティ、ロンドン交響楽団、ソプラノ・・・ルネ・フレミング、バリトン・・・ジョナサン・サマーズ(ブリテン)、メゾ・ソプラノ・・・ラリッサ・ディアドコヴァ(ヴェルディ)
録音: 1996年12月、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン
1モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」 K.492愛の神よ、安らぎを与えたまえ
2モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」 K.492楽しい想い出はどこへ
3チャイコフスキー歌劇「エウゲニ・オネーギン」たとえ死んでもいいの
4ドヴォルザーク歌劇「ルサルカ」月に寄せる歌
5ヴェルティ歌劇「オテロ」泣きぬれて - 柳の歌 - アヴェ・マリア
6ブリテン歌劇「ピーターグライムズ」 Op.33縫いとりは子供の頃は贅沢だったわ
7R.シュトラウス歌劇「ダフネ」 Op.82来ましたよ

 ルネ・フレミングは1959年生まれ。このCDは30歳半ばの録音、ということになります。こだわりの選曲で、後半に行くにしたがって段々マニアックになっています。特に最後の「ダフネ」は、ソリストも指揮者もオケの前の曲までとは違った、並々ならぬ気合いが感じらる、迫真の雰囲気が出ています。

 録音場所は旧来のキングズウェイホールではなく、ヘンリーウッドホールです。オペラアリア集ですが、オケのサウンドはシンフォニックなもので、ショルティならでは輪郭のシャープな演奏になっていて、スタジオ録音ならではの、実際のオペラとはまた違った雰囲気が楽しめます。

 フレミングの本格的に有名になり始めたのは1988年ごろだったと思います。私の記憶で印象に残っているのは1992年のベルリンフィルのジルヴェスターコンサート。アバド指揮によるR.シュトラウスのプログラムで、アルゲリッチをソロに迎えたブルスケや交響詩2曲に加えて演奏されたのが、楽劇「薔薇の騎士」から有名な最後の三重唱でした。ソリストはキャサリーン・バトル(1948 - )のゾフィー、フレデリカ・フォン・シュターデ(1945 - )のオクタヴィアン、そしてフレミングの元帥夫人。当時BSで放送された映像をVHSからDVDに焼きなおして保存しています。今見てみると、実年齢と役柄の年齢が全く逆転しているのに、音楽的な役作りはぴったりはまっているところが、オペラの面白いところです。

 NHK-BSやWOWOWで放送されているメトロポリタンオペラでよく放送されているオペラのライブ番組ではナビゲーター役としてもしばしば登場するフレミング。現代のソプラノの第一人者の一人でありながら、多彩な才能を発揮しています。

    
紙ジャケのデザインはこれ





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その16 デュトワのラヴェル管弦楽曲集

16枚目のCDです。

ラヴェル: 管弦楽曲集
演奏: 指揮・・・シャルル・デュトワ、モントリオール交響楽団
録音: 1981年7月(ボレロ)、1983年5月(ボレロ以外)、聖ユスターシュ教会、モントリオール

1バレエ音楽「マ・メール・ロワ」前奏曲
2バレエ音楽「マ・メール・ロワ」第1場 紡車の踊りと情景
3バレエ音楽「マ・メール・ロワ」第2場 眠れる森の美女のパヴァーヌ
4バレエ音楽「マ・メール・ロワ」第3場 美女と野獣の対話
5バレエ音楽「マ・メール・ロワ」第4場 親指小僧
6バレエ音楽「マ・メール・ロワ」第5場 パゴダの女王レドロネット - 終曲 妖精の園
7亡き王女のための
8組曲「クープランの墓」前奏曲
9組曲「クープランの墓」フォルラーヌ
10組曲「クープランの墓」メヌエット
11組曲「クープランの墓」リゴードン
12優雅で感傷的なワルツ1. 中庸の速さで、2. 十分ゆるやかに 
13優雅で感傷的なワルツ3. 中庸の速さで、4. 十分に生き生きと
14優雅で感傷的なワルツ5. ほとんどゆるやかに、6. 十分活発に 
15優雅で感傷的なワルツ7. 活発さを感じて、8. エピローグ
16ボレロ

 シャルル・デュトワ(1936 - )がDeccaレーベルに華々しくデビューしたのは、1980年録音の「ダフニスとクロエ」でした。アンセルメの後継者で、フランス、ラテン系のレパートリーを任せられる指揮者を探していたDeccaが抜擢したのが、デュトワだった訳です。彼は1977年にモントリオール交響楽団の指揮者となったのですが、このカナダのオーケストラを世界一フランス的とも呼ばれる一流のオーケストラに育て上げました。メンバーの交代などの大胆な改革も行った、とどこかで読んだ記憶があります。スイス生まれで、アンセルメやミュンシュの薫陶をうけ、自らオーケストラのヴィオラ奏者としての経験も豊富だったデュトワの才能が一躍世界的に認められたが1980年代の丁度このCDの録音のころでした。

 その後ドビュッシー、ラヴェル、ショーソン、ベルリオーズといったフランス物、ファリャやアルベニスなどのスペイン物、ストラヴィンスキーやレスピーギといった非独墺系の音楽の担当としてDeccaの看板指揮者の一人としてキャリアを築いていきます。私が当時気に入って買ったLPはレスピーギのローマ三部作。LPレコードで「松」「祭り」「噴水」の順だったので、「祭り」の途中で盤面を裏返さなければならなかったのをよく覚えています。

 デュトワの一連の録音が出てくる前のフランスもの定盤といえばクリュイタンスやマルティノンなどでした。ただ、いくら素晴らしいからといってデジタル時代になってもこれらの名盤をいつまでも拠り所にしてよいものか、と思っていたころに、これらの録音が出てきたというタイミングの良さも、ヒットの理由のひとつではないかと思っています。

 マ・メール・ロワでの木管とホルンが混ざったまったりとした音色や、ゴツゴツしたところがなく、ふわっとした弦楽器の響きはこの演奏の魅力の一つです。クープランの墓の冒頭なんかでは、かなり快速でとばしならが進んで行くのですが
それでも破綻なく余裕すら感じさせるアンサンブル能力も聴きどころ。最後に、オケの色彩感やダイナミックな高揚感を楽しめる「ボレロ」がボーナストラックとして収録されているのも心憎い配慮といえます。

 録音についてはシカゴ交響楽団はデトロイト交響楽団などでの音づくりとはだいぶ違っている印象を受けます。フランスらしい響きとは何か、というようなこだわりを感じるのは私だけでしょうか。フルートとホルンとクラリネットの音色がうまく溶け合うようにするにはどういう音の捉え方をしたらよいか、というようなことを考えならが録音したかと思えるほど音色や色彩感のまとまりが素晴らしいかと思えば、一方でトラック2などでは弦楽器が一斉にコルレーニョ(弓の木の部分で弦を叩く奏法)で演奏するところなどでは、ハッとするほどリアルは空気感が感じられたりします。オーケストラの特徴的な音色に、録音スタッフのコンセプトがうまく合致した優秀録音だと思います。

    
紙ジャケのデザインはこれ。 昔買ったLPがこれ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その15 ドラティの「火の鳥」と「春の祭典」

15枚目のCDです。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」/同「春の祭典」
演奏: 指揮・・・アンタル・ドラティ、デトロイト交響楽団
録音: 1982年10月(火の鳥)、1981年5月(春の祭典)、ユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアム、デトロイト

1バレエ音楽「火の鳥」イントロダクション 
2バレエ音楽「火の鳥」カスチェイの魔法にかかった庭 
3バレエ音楽「火の鳥」火の鳥の出現、イワン王子がこれを追って登場 
4バレエ音楽「火の鳥」火の鳥の踊り
5バレエ音楽「火の鳥」イワン王子に捕らえられた火の鳥 
6バレエ音楽「火の鳥」火の鳥の嘆願
7バレエ音楽「火の鳥」黄金の果実とたわむれる王女たち(スケルツォ) 
8バレエ音楽「火の鳥」イワン王子の不意な出現 
9バレエ音楽「火の鳥」王女たちのロンド 
10バレエ音楽「火の鳥」夜明け 
11バレエ音楽「火の鳥」怪しげな騒動、怪物ども登場、イワン王子捕らえられる 
12バレエ音楽「火の鳥」不死の魔王カスチェイの登場、火の鳥の出現 
13バレエ音楽「火の鳥」カスチェイら一党の凶悪な踊り 
14バレエ音楽「火の鳥」火の鳥の子守唄
15バレエ音楽「火の鳥」カスチェイの城と魔法の消滅、石にされていた騎士たちの復活、大団円
16バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 序奏 
17バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 春のきざし - 乙女たちの踊り
18バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 誘拐の儀式
19バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 春の踊り
20バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 部族の戦いの儀式
21バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 賢人の行列 
22バレエ音楽「春の祭典」第1部 大地礼讃 大地の踊り 
23バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ 序奏 
24バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ 乙女たちの神秘的な集い 
25バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ いけにえの讃美
26バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ 祖先の呼び出し 
27バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ 祖先の儀式
28バレエ音楽「春の祭典」第2部 いけにえ いけにえの踊り


 ドホナーニに続いて、ハンガリー出身の指揮者ドラティの登場です。彼ははデトロイト交響楽団とストラヴィンスキーの3大バレエを録音しています。私は昔、ペトルーシュカをLPで買い、あとの2曲はFMでエアチャックして、後になってCDの2枚組を買って3曲揃えました。

 アンタル・ドラティ(1906-1988)が私のお気に入りの指揮者の一人であることは以前に書きました。Deccaの録音はモノラル時代にさかのぼります。Deccaへの録音のの中でもハイドンの交響曲全集は今でも十分スタンダードとして通用する、クラシック録音史の金字塔ともいえる偉業です。

 彼には膨大な録音点数があり、600点とも言われています。オーケストラを鍛え上げる能力も高く評価され、オーケストラ・ビルダーとも呼ばれ、いくつものオーケストラを救ってきました。野球でいえば万年下位チームを優勝に導く名監督、といったところでしょう。1977年から音楽監督を務めたデトロイト交響楽団も、彼によって実力を上げたオーケストラの一つです。

 録音の方はどうでしょうか。ホールの残響は抑えめで、ややデッドな響きであるがゆえに、各パートの動きが手に取るようにわかり、スコアを見ながら聴きたくなるような音づくりです。ドラティは、バルトークやコダーイに師事し、アメリカに渡ってからは数々の新作の初演もこなした百戦錬磨のベテランで、職人芸的な安定感が感じられます。ロシアの大地を感じさせるような民族的な雰囲気や、高揚感を煽るような熱狂的な演奏ではく、聞かせどころのツボを的確に押さえながら冷徹に難曲をさばいていく、という印象です。

 デジタル録音の創成期を前後して、各社が「春の祭典を」を相次いでリリースした時期がありました。「ハルサイブーム」とまで呼ばれたこともあります。どのレコードも録音の良さを売り物にしていて、中でもテラークレーベルから出たマゼールとクリーヴランド管の演奏は、アクの強い解釈にもかかわらず、オーディオ評論家から絶賛されたことで話題になりました。小澤征爾とボストン交響楽団もこのころに来日した時のプログラムの中には春の祭典をメインにしたものもあり、大喝采を浴びる様子がFMで放送されたことをよく覚えています。

 
紙ジャケと同じデザインは見つからず。。。。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その14 ドホナーニ、ウィーンフィルによるシェーンベルク、ベルク、ウェーベルン

14枚目のCDです。

シェーンベルク:期待/ベルク:「ルル」組曲/ウェーベルン:夏風の中で
演奏: 指揮・・・クリストフ・フォン・ドホナーニ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(シェーンベルク、ベルク)、クリーブランド管弦楽団(ウェーベルン)、ソプラノ・・・アニア・シリア(シェーンベルク)
録音: 1979年9月(シェーンベルク)、1973年4月(ベルク)、ソフィエンザール、ウィーン、1991年8月、セヴェランス・ホール、クリーブランド(ウェーベルン)

1シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第1場: ここで?
2シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第2場: これはまだ道なのか・・・
3シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第3場: ここに光がある! 
4シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4場: あの人はここにもいない
5シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4番: それはまだそこにいる・・・天の主の神
6シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4場: でもあなたの目は妙よ・・・
7シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4場: あなたはまたあそこを見ている・・・
8シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4場: おお!優美でさえ・・・
9シェーンベルクモノ・オペラ「期待」 Op.17第4場: 愛する人、朝が来る・・・
10ベルクルル 組曲1. ロンド
11ベルクルル 組曲2. オスティナート
12ベルクルル 組曲3. ルルの歌
13ベルクルル 組曲4. 変奏曲
14ベルクルル 組曲5. アダージョ
15ウェーベルン夏風のなかで

 シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの作品を集めたCDです。1970年代前半まで、ウィーンフィルにはDeccaとの専属録音契約がありましたので、本家ウィーンフィルの演奏で新ウィーン楽派の作曲家の作品を録音に残すことはDeccaの使命ともいえるプロジェクトだったと思います。その役目を果たしたのがドホナーニでした。彼は23歳のときに、同じハンガリー出身のショルティに認められてフランクフルト歌劇場の助手に採用されました。おそらくこのCDに収められている「ルル」組曲が彼のDeccaデビュー録音だと思います。1929年生まれですので、もう80歳を超えているんですね。

 私がドホナーニの名前を知ったのは1977年のウィーンフィル来日公演のときでした。そのときはベームと同行していて、「田園」「運命」といったプログラムをベームが振り、「未完成」、ベートーヴェンの第7番といったプログラムをドホナーニを振りました。それらの演奏の様子がNHK-FMで放送され、当時カセットテープに録音した音源を今でも持っています。

 ソプラノのアニア・シリアは1940年生まれ。10歳ですでに歌手としての頭角を現し、20代前半にはバイロイト音楽祭に出演しています。私が彼女の名前を最初に知ったのは、ベームの「ラインの黄金」のLPで、フライア役を歌っていました。シェーンベルクのような難曲でも完全に手中のおさめたかのような堂々とした歌唱には感服します。彼女はドホナーニの2番目の妻だったこともありましたが、今は離婚しているようです。

 「期待」は人間の精神が錯乱している状態を表現した、重苦しい深刻な内容の作品ですので、気軽な気持ちで聴けるものでありません。オーケストレーションは非常に複雑で、演奏の難易度の高いことでも知られています。そんな難曲でも、Deccaのエンジニアのてにかかると、各パートが綺麗に分離されて、明瞭で抜けの良い音色のサウンドが、ソフィエンザールのほどよい残響とともに眼前に展開され、見事というほかありません。

 解像度の高い、シャープなサウンドというと、ロンドン交響楽団やシカゴ交響楽団などの音色を想像するかも知れませんが、ウィーンフィルならではの特質も十分に表出されています。複雑な音響の合間に聴こえてくるヴァイオリン・ソロのパッセージはヴィブラートたっぷりで艶かしく、やはりウィーンフィル、という雰囲気が出ています。

         
紙ジャケと同じデザインは見つからず。 シリアには別録音もあります。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その13 カーゾンとブリテンによるモーツァルトのピアノ協奏曲

13枚目のCDです。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番/同 第27番
演奏・・・クリフォード・カーゾン、指揮・・・ベンジャミン・ブリテン、イギリス室内管弦楽団
録音・・・1970年7月、スネイプ、モールティングス コンサートホール、サフォーク、イギリス

1ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466第1楽章 アレグロ
2ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466第2楽章 ロマンツェ
3ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466第3楽章 ロンド アレグロ・アッサイ
4ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595第1楽章 アレグロ
5ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595第2楽章 ラルゲット
6ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595第3楽章 アレグロ

 これも名盤中の名盤。知的、完璧主義、孤高といった表現がよく用いられるイギリスの名ピアニスト、クリフォード・カーゾン(1907-1982)の代表的録音です。何度繰り返して聴くに値する稀有の演奏といってもよいでしょう。

 まず、カーゾンの完璧なピアにズム。音のタイミング、強弱、余韻の残し方など、徹底的に考え抜かれて、この瞬間に、この音色で、このダイナミックスでなければならぬ、という強い信念の元に紡ぎ出されたピアノの音は、聴く者にも毅然とした態度と集中力を要求しているようも思えます。透明で曇りのない、純粋なピアノの音がここにあります。

 次にブリテンとイギリス室内管弦楽団の伴奏。これを単に「伴奏」というべきではないのだと思います。カーゾンの演奏を真正面に受け止めて、こちらも一音一音吟味を重ねて到達した、究極の演奏という表現が当てはまります。完璧に統率されたアンサンブルによって大変格調高い演奏に仕上がっていて、たとえば単に四分音符が三つ続くところでも、ピアニストの指が離れるタイミングと、弓が弦から離れるタイミングと常にピタッとと揃えようとピアノの音を必死に聴きながら演奏している様子が目に浮かぶようです。

 そして優秀な録音。ピアノとオケの両方の明瞭さを、これほどまでに両立させた演奏は少ないと思います。とても1970年のものとはとても思えず、最新のデジタル録音にもひけをとらないといってもよいでしょう。

 聴きどころはいろいろありますが、たとえば第20番の第3楽章。最近の演奏スタイルでは、疾走するスピードで劇的な表現を誇張するような、いわゆる勢いで勝負的な演奏が好まれるような傾向にありますが、この演奏は、快速のテンポは緩めることなく、それでいて決して乱暴になったり過剰に熱くなることもなく、そして一音たりともおろそかにせず、理性と知性によって隅々まで神経の行き届いた、背筋のピンと伸びた演奏になっています。

 カーゾンによるモーツァルトの協奏曲は、他にケルテス、バレンボイム、クーべリックなどとの共演の録音が残っていますが、やはりこの演奏は別格。カーゾンとブリテンの強い信頼関係が感じられる、歴史に残る名盤ではないでしょうか。

          
紙ジャケと同じデザインはみつからず 10/22現在、品切れです

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その12 チョン・キョンファが弾くヴァイオリン協奏曲 

12枚目のCDです。

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番/同:スコットランド幻想曲
演奏: 指揮・・・シャルル・デュトワ、モントリオール交響楽団(メンデルスゾーン)、ヴァイオリン・・・チョン・キョンファ、指揮・・・ルドルフ・ケンペ、フィルハーモニア管弦楽団(ブルッフ)
録音: 1981年7月、聖ユスターシュ教会、モントリオール(メンデルスゾーン)、1972年5月、キングズウェイホール、ロンドン(ブルッフ) 
1メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64第1楽章 アレグロ・モルト・アパッショナート
2メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64第2楽章 アンダンテ
3メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64第3楽章 アレグロ・ノン・トロッポ - アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
4ブルッフヴァイオリン協奏曲第1番 ト長調 Op.26第1楽章 前奏曲 アレグロ・モデラート
5ブルッフヴァイオリン協奏曲第1番 ト長調 Op.26第2楽章 アダージョ
6ブルッフヴァイオリン協奏曲第1番 ト長調 Op.26第3楽章 終曲 アレグロ・エネルジーコ
7ブルッフスコットランド幻想曲 変ホ長調 Op.46序章 グラーヴェ - 第1楽章 アダージョ・カンタービレ
8ブルッフスコットランド幻想曲 変ホ長調 Op.46第2楽章 アレグロ - アダージョ
9ブルッフスコットランド幻想曲 変ホ長調 Op.46第3楽章 アダージョ - アンダンテ・ソステヌート 
10ブルッフスコットランド幻想曲 変ホ長調 Op.46第4楽章 フィナーレ アレグロ・グゥエリエロ


 チョン・キョンファがDeccaにデビューしたのは1970年6月録音のチャイコフスキーとシベリウスの協奏曲でした。オケはプレヴィン指揮のロンドン交響楽団で、当時彼女は22歳。このCDの後半のブルッフはデビュー2枚目となる録音です。メンデルスゾーンの協奏曲収められているのはデュトワとの録音です。チョン・キョンファのディスクから1枚、というときに何を選ぶかですが、私はラロのスペイン交響曲か、プロコフィエフの2つの協奏曲あたりかと思いましたが、違いましたね。

 Deccaが考えたチョン・キョンファの音色はジョシュア・ベルの録音などとはだいぶコンセプトが違っているように思えます。ひたすら美しい音に仕上げるというのではなく、弓と弦がぶつかる生々しい音を敢えて積極的に取り込んで、緊張感のある強靭で熱い気迫を感じさせる彼女のヴァイオリンの音質の特色を際立たせようという考え方が基本になっているように思えます。

 聖ユスターシュ教会でのデュトワとモントリオール響の響きは、とげとげしいところがなく、残響とよく溶け合ったマイルドな音づくりになっていて、それとは対照的な硬質な音色のヴァイオリン・ソロが中央前面に位置する、という録音になっています。彼女のテクニックは勿論万全で申し分なく、それにメンデルスゾーンの協奏曲に内包されている、いわゆる「泣き」の感情が乗っかってきて聴く方に押し寄せてきます。この魔力ともいえる彼女の独特な魅力がこの演奏の特徴だと思います。

 ブルッフの協奏曲は他のロマン派のヴァイオリン協奏曲の名曲に比べると平易で温和な部類に入る曲ですが、この演奏は気迫に満ちたスリリングなものになっています。第3楽章なんかでは、一音たりともおろそかにするまいといわんばかりの叩きつけるような重音の奏法を畳み掛けながら、決して前向きのテンポを緩めることなくぐいぐい突き進んでいく演奏は大変見事です。チョン・キョンファはその後DeccaからEMに移籍して、そこでも数々の名演奏を残していますが、この20代の瑞々しい演奏は色褪せることがない貴重な記録であると思います。

   
紙ジャケのデザインはこれ メンデルスゾーンのオリジナルのカップリングはチャイコ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その11 シャイーのトゥーランガリラ交響曲

11枚目のCDです。

メシアン:トゥーランガリラ交響曲
演奏: 指揮・・・リッカルド・シャイー、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ピアノ・・・ジャン・イヴ・ティボーデ、オンド・マルトノ
録音: 1992年3月、コンセルトヘボウ大ホール、アムステルダム 
1I. 序章
2II. 愛の歌
3III. トゥーランガリラ
4IV. 愛の歌 II
5V. 星たちの血の喜び
6VI. 愛のまどろみの庭
7VII. トゥーランガリラ II
8VIII. 愛の展開
9IX. トゥーランガリラ III
10X. 終曲

 この演奏も、録音の素晴らしさゆえに後世に残る名盤になったといっても過言ではないでしょう。ダイナミックレンジの広さ、圧倒的な情報量、オンドマルトノの不思議な響き、調整音楽と無調音楽との交錯、東洋音楽と西洋音楽の融合など、いろんな意味で画期的であったメシアンの代表作、そして20世紀音楽の代表作の一つでもあるのがこのトゥーランガリラ交響曲です。

 この曲は、若手から中堅の意欲的な指揮者が自らの実力を世に問うための試金石のような存在として取り上げられてきた感があります。小澤征爾とトロント交響楽団の演奏は歴史的名盤の部類に入るでしょうし、日本でも最近では準・メルクルとN響、少し前ではチョン・ミュンフンと東京フィルなどが演奏会で取り上げています。CDではラトル、ナガノあたりが評判が高いようで、私は昔サロネンのCDも聴いたことがあります。このシャイー盤はそれらに勝るとも劣らない名盤と思います。

 この録音の成功は、エンジニアであるジョン・ダンカーリーの功績と言われています。ダンカーリーは1968年から1997年の間、Deccaの主席(上席?)バランスエンジニアの職にありました。彼の師匠であるケネス・ウィルキンソンはDeccaが電気録音を始めた1929年から1980年に引退するまでチーフエンジニアを務めた人物です。まさにDeccaの伝統を受け継いできたエンジニアといえるのではないでしょうか。

 そのダンカーリーの実力はこの録音でも遺憾なく発揮されています。シャイーが常任になる前のコンセルトヘボウの録音は主にフィリップスレーベルで聴くことが多かったのですが、そのときの豊潤で悠然とした音づくりとは全く対照的な、シャープで明晰な録音になっていることにまず驚かされます。やや乱暴な言い方ですが、Deccaが録音すると、コンセルトヘボウですらロンドン交響楽団のような音色なってしまうような、魔術ともいえる技術の凄さを感じます。CDのブックレットにはシャイーがトゥランガリーラ交響曲を録音する風景の写真が一枚載っています。オケは通常の舞台ではなく、1階の客席を取っ払った平土間に陣取っているのがわかります。自らのレコーディング哲学への絶対の自信とこだわりがなんとなく感じられます。

 リッカルド・シャイーは14歳で指揮を始めた早熟の天才で、1980年にウィーンフィルを振ったチャイコフスキーの交響曲第5番で華々しくレコーディングデビュー(初録音はもっと前であったが)して一躍有名になりました。彼もDeccaレーベルの元でキャリアを築いてきたアーティストの一人といえるのではないでしょうか。

   
紙ジャケのデザインはこれ 小澤征爾の歴史的名盤

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その10 ブリテンの戦争レクイエム

10枚目のCDです。

ブリテン:戦争レクイエム
演奏: 指揮・・・ベンジャミン・ブリテン、ロンドン交響楽団、ソプラノ・・・ガリーナ・ヴィシネフスカヤ、テノール・・・ピーター・ピアーズ、バリトン・・・ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ、バッハ合唱団、ロンドン交響楽団合唱団(合唱指揮・・・デイヴィッド・ウィルコックス)、ハイゲート学校合唱団、オルガン・・・サイモン・プレストン、メロス・アンサンブル
録音: 1963年1月、キングズウェイホール、ロンドン
1永遠の安息 主よ、永遠の安息を彼らに与え給え  
2永遠の安息 家畜のように死んでゆく兵士たちに  
3怒りの日 その日こそ怒りの日である  
4怒りの日 夕べの大気を悲しげに  
5怒りの日 そのとき、この世を裁く  
6怒りの日 戦場で、ぼくたちはごく親しげに  
7怒りの日 慈悲深いイエスよ  
8怒りの日 汝の長く黒い腕が  
9怒りの日 怒りの日  
10怒りの日 罪ある人が裁かれるために  
11怒りの日 彼を動かせ  
12奉献文 栄光の王、主イエス・キリストよ  
13奉献文 かくて、アブラハムは立ち上がり  
14聖なるかな 聖なるかな、聖なるかな  
15聖なるかな 東方から一筋のいなずまが  
16神の子羊 かりそめにも爆撃された  
17われを解き放ち給え 主よ、かの恐ろしき日に  
18われを解き放ち給え ぼくは戦闘から脱出して  
19われを解き放ち給え さあ、もう眠ろうよ  

 これも有名すぎる名盤中の名盤。ピアーズ、F.ディースカウ、ヴィシネフスカヤは作曲当時からソリストに想定されていたとのこと。初演から間もない時期に、作曲者の理想の演奏を実現すべく、Deccaレベールが作曲者の希望通りのキャストを揃えて万全の体制で臨んだセッション録音でした。この記念碑的な世界初録音によって、「戦争レクイエム」という曲が名実ともに後世に残るブリテンの最高傑作となった、といっても過言ではないでしょう。

 ステレオ録音以降の時代に自ら指揮して録音の残している作曲家は何人かいますが主に二つのタイプがあると思っています。バーンスタインやブーレーズのように指揮者としての活動のみでも立派な功績があるタイプと、ストラヴィンスキーやブリテンのように、主に自らの音楽を具現するために指揮活動を行っていたタイプです。ブリテンにはモーツァルトを指揮した録音などもありますが、この1963年のセッション録音は、当時の自分の新作を自ら指揮をすることで優れた「音源」として未来に残したいという特別な執念のようなものが感じられます。

 LPが発売された時の世間の受け止め方はどうだったのでしょうか。1963年当時のことは私自身知る由もないのですが、たまたま私が持っていたレコード芸術誌創刊30周年記念の付録「レコード芸術推薦盤全記録」(上巻)に初発売の時のコメントが載っていました。

 「恐ろしい曲である。胸がつぶれそうな曲である。イギリスの詩人オーウェンの死も胸を裂くような魂の叫びが込められている。ブリテンの意図したこの曲の構想のどこかに、バッハのマタイ受難曲のコピーを見る。バッハの構想の上に立って12音技法と対位法を絡ませながら、20世紀最高のレクイエムが完成された。」

 当時の衝撃がよくわかるコメントと思います。バッハとの関連を感じるところまで私の感性は高くないようですが。また、私が1980年代に入手したLPレコードにのライナーノーツに録音プロデューサーのカルショーのコメントが載っていました。

「(前略) 前面には二人の男性ソリストと室内オーケストラが置かれていて、全曲を通じてオーウェンの死の部分を受け持つ。(中略) このグループの奥にはミサそのものを受け持つ大きな一団が位置する。つまり、ソプラノ独唱者とフル・コーラス及びフル・オーケストラである。彼らは典礼の形式に従った哀悼の表現を担当する。(中略) 更に、より奥の方に離れて児童合唱とオルガンが置かれる。それは、天からきこえる御声の伝える純潔と無垢の神秘であって、戦争の世界から限りなく隔たったものである。(後略)」

 そんな風にイメージして聴くと確かにその通りの音場が展開されている感じがします。この録音もショルティの指輪などとも同様にカルショーなくしては語れないものの一つと思います。

 最近では小澤征爾がサイトウキネンフェスティバルで取り上げたことによって、重苦しく深刻な内容のこの曲の知名度もぐんと上がったのではないでしょうか。

   
あまりにも有名なジャケット この演奏で最近また注目されるように

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その9 ボスコフスキー、ウィーンフィルのニューイヤーコンサート1979

9枚目のCDです。

ウィーンフィル ニューイヤー・コンサート1979
演奏: ウィリー・ボスコフスキー、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
録音: 1979年1月、ムジークフェラインザール、ウィーン

1ヨハン・シュトラウス I世ワルツ「ローレライ-ラインの調べ」 Op.154
2ヨハン・シュトラウス II世ポルカ「お気に召すまま」 Op.372
3エドゥワルト・シュトラウスポルカ「ブレーキをかけずに」 Op.238
4ヨハン・シュトラウス II世ワルツ「酒・女・歌」 Op.333
5ヨゼフ・シュトラウスポルカ「モダンな女(開放された女)」 Op.282
6ツィーラーワルツ「ヘラインシュパルツィート(いらっしゃませ)」 Op.518
7スッペ喜歌劇「美しいガラテア」序曲
8ヨハン・シュトラウス II世ワルツ「我が家で」 Op.361
9ヨゼフ・シュトラウスポルカ「風車」 Op.57
10ヨハン・シュトラウス II世チックタック・ポルカ Op.365(喜歌劇「こうもり」より)
11ヨハン・シュトラウス II世ピチカート・ポルカ(弟ヨーゼフとの合作)
12ヨゼフ・シュトラウスポルカ「ルドルフスハイムの人々」 Op.152
13ヨハン・シュトラウス II世ポルカ「狩」 Op.373
14ヨハン・シュトラウス II世ポルカ「浮気心」 Op.319
15ヨハン・シュトラウス II世ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314
16ヨハン・シュトラウス I世ラデツキー行進曲 Op.228

 このLPが発売された時のことを私ははっきり覚えています。1979年の春ごろのレコード芸術紙にセンセーショナルな形でDecca初のデジタルレコーディングとして発売されたからです。他のメジャー系のレコード会社からデジタル録音の話が聴こえてくる中、Deccaがいつごろデジタル録音に切り替えるかは興味津津でしが、詳細はベールに包まれており、そんな中この演奏が発売されたことでDeccaのデジタル時代の幕開けが宣言されたわけです。

 ライナーノーツに少し詳しい話が載っています。Deccaとして最初に「発売」されたのはこの演奏ですが、最初に「録音」されたのはアシュケナージによるモーツァルトのピアノ協奏曲でした。1978年6月、ロンドンで密かに録音された、と書かれています。そして、その年12月5日、ウィーンに持ち込まれたデジタル録音機材は、まずソフィエンザールで、ドホナーニ指揮によるウィーンフィルの演奏でメンデルスゾーンの「イタリア」の録音に使用されました。そして満を持して、という感じでムジークフェラインザールに乗り込んだというわけです。録音の良さを売りにしていたDeccaにしてみれば失敗するわけにはいかなかった、ということと、デジタル化でやや遅れをとろうとしてたことから、センセーショナルなデジタルデビューを果たしたい、という思いがあったのではないでしょうか。

 初発売は豪華な2枚組のLPの装丁で、コンサートの全曲が収録されていました。このCDでは、その中からワルツ「天体の音楽」だけが除かれています。1枚のCDに収めるためにはやむを得なかったのでしょう。ポルカ「狩り」はその場で続けてアンコールが演奏されましたが、それはちゃんと入っています。

 当時、一聴したまず驚いたのが音のリアルさでした。ソフィエンザールとムジークフェラインザールの違いなのか、アナログ録音とデジタル録音の違いなのかにわかに判断できませんでしたが、最初に会場に沸き起こる拍手の臨場感が生々しく、ウィーンフィルの音も、残響音が以外と控えめで楽器からの直接音を多く取り込んだオンマイクてきな音づくりに驚いたことを今でもよく覚えています。

 このCDは歴史的にいろんな意味があります。クレメンス・クラウスが亡くなった後、オケの団員の中なら立ち上がって指揮台に立ち、以後長年にわたってニューイヤーの伝統を引き継いできたウィリー・ボスコフスキーの25周年、しかもこのコンサートで引退し、次の年から続くマゼールの時代、さらにはその後のスター指揮者による輪番制へ転換点となった演奏会でもありました。NHKが録画ではなく生中継で放送を始めたのが1980年、Deccaがポリグラムに買収されたのも1980年。そしてアナログから、デジタルへ。Decca Sound の50枚の1枚にふさわしい名盤だと思います。

   
紙ジャケのデザインはこれ
(微妙に違う気もしますが)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その8 ベームのブルックナー「ロマンティック」

8枚目のCDです。

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
演奏: 指揮・・・カール・ベーム、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
録音: 1973年11月、ソフィエンザール、ウィーン

1交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」第1楽章 運動的に、しかし速すぎずに
2交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」第2楽章 アンダンテ・クワジ・アレグレット
3交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」第3楽章 スケルツォ、運動的に - トリオ、速過ぎず、決して引きずらないように
4交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」第4楽章 運動的に、しかし速すぎずに

 今更説明する必要もないくらい有名な、名盤中の名盤です。「ロマンティック」の演奏の中で、40年近くも不動地位を維持しているというは本当に凄いことと思います。

 この演奏の素晴らしさ、はベームの卓越した統率力や均整のとれた解釈に拠るところが大きいと思いますが、録音の良し悪しの影響も無視できないでしょう。ベームはこの時期に第3、4番を録音した後、DGレーベルで第7、8番を録音しています。第3、4番がDeccaによって録音されたのは、当時ウィーンフィルはDeccaが録音するという完全専属契約の時代であったためです。

 エンジニアの勝手知ったるソフィエンザールでのDeccaの3,4番と、ムジークフェラインザールでのDGの7.8番とでは、同じ指揮者とオケの組み合わせとは思えない決定的な印象の差が生まれてしまっています。ブルックナーに必要な、教会の天井高を連想させる残響の空気感を録音としてどうとらえたかという点で、結果的にDecca盤に圧倒的な優位がもたらされています。

 ところで、今回のDacca Sound の紙ジャケットのデザインに疑問がひとつ。このロマンティックのジャケット、第3番「ワーグナー」のものではないでしょうか。本当の初出時のものを確認しているわけではないのですが、私が所有している国内盤のLP(キングレコード発売でP1974の記載がある)では、口に人差し指をあてて、ppか何かをオケに要求しているベームの横顔です。多くの人が馴染んでいると思われるこっちのジャケットがやっぱり良かったのに、とも思いますが、本当のオリジナルはやはり紙ジャケの方なんでしょうか?

   
紙ジャケのデザインはこれ こっちがてっきりオリジナルと思っていました。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その7 ブロムシュテットのR.シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」とアルプス交響曲

7枚目のCDです。

R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」/同:アルプス交響曲
演奏: 指揮・・・ヘルベルト・ブロムシュテット、サンフランシスコ交響楽団
録音: 1988年5月、6月、デイヴィス・シンフォニーホール、 サンフランシスコ
1交響詩「ドン・ファン」 Op.20
2アルプス交響曲 Op.64
3アルプス交響曲 Op.64日の出
4アルプス交響曲 Op.64登り道
5アルプス交響曲 Op.64森への立ち入り - 小川のほとりの旅
6アルプス交響曲 Op.64
7アルプス交響曲 Op.64幻影
8アルプス交響曲 Op.64花の牧場
9アルプス交響曲 Op.64山の牧場
10アルプス交響曲 Op.64林で道に迷う
11アルプス交響曲 Op.64氷河
12アルプス交響曲 Op.64危険な瞬間 - 頂上にて 
13アルプス交響曲 Op.64見えるもの
14アルプス交響曲 Op.64霧が立ちのぼる
15アルプス交響曲 Op.64日が次第にかげる 
16アルプス交響曲 Op.64悲歌
17アルプス交響曲 Op.64嵐の前の静けさ
18アルプス交響曲 Op.64雷雨と嵐、下山
19アルプス交響曲 Op.64日没
20アルプス交響曲 Op.64終結 
21アルプス交響曲 Op.64

 アルプス交響曲は私の大好きな曲の一つ。何かと外面的な派手さとスペクタクル性で論じられがちな曲ですが、それぞれのモチーフの展開の仕方はR.シュトラウスの楽劇並みに凝って作られていて、聴けば聴くほど作曲者の自然に対する畏敬や愛情の念が伝わってくる名曲だと思います。

 とはいえ、録音エンジニアにとっては実力の発揮のしどころ。メジャーレーベルでデジタル録音が本格的にスタートした1980年代には、演奏、録音の両面での優秀さが要求されるこの曲の名盤がいくつも生まれています。DGでは有名なカラヤンとベルリンフィルの演奏(1980年)、フィリップスではハイティンクとコンセルトヘボウの演奏(1985)などが代表例でしょう。Deccaにはショルティとバイエルン放送交響楽団の演奏がありましたが、これは1979年の録音でアナログ録音です。
 
 後だしジャンケンは勝って当たり前。Deccaのスタッフによって入念なセッション録音によって完璧を目指したらこういう演奏になりました、というのがこのCDの全体的な第一印象です。すべてのパートのアンサンブルは破綻することなく綺麗にまとまっていて、たとえば嵐のところで普通だともやもやしてしまうヴァイオリンパートが凄く明瞭に聴こえてきたり、滝のところで弦楽器が何パートにも分かれて複雑になるところなんかもスコアが透けて見える、という表現がぴったりです。また、ライブではどうしても疲れが隠せなくなる後半部分の金管のコラールも、余裕すら感じさせる堂々とした吹きっぷりで圧巻。いわゆる「汗」や「熱気」が感じられない、とも一部では評されてしまっているこの演奏ですが、録音芸術の理想形としてはこういうアプローチもありかな、と思います。

 その後、この曲の名録音はプレヴィンや小澤やティーレマンのウィーンフィル、ヤンソンスのコンセルトヘボウなど、すべてを挙げられないくらい沢山の名盤が登場しています。ドイツ風の演奏が好みであれば、ドレスデンのオケなどを聴くのも面白いかと思いますが、それだってベーム、シノーポリ、ルイージなどの比較ができます。まさに今は名盤乱立というか飽和の時代です。ちなみに私が最も気に入っている演奏は、メータとベルリンフィル(SONYの録音)です。

     
紙ジャケのデザインはこれ  私のお気に入り     一時的に在庫なし状態です(10/15)。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その6 バーバー ヴァイオリン協奏曲ほか ジョシュア・ベル

6枚目のCDです。

 バーバー:ヴァイオリン協奏曲/ブロッホ:バール・シェム/ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
演奏: 指揮・・・デイヴィッド・ジンマン、ボルティモア交響楽団、ヴァイオリン・・・ジョシュア・ベル
録音: 1996年1月、ジョセフ・メイヤーホフ・シンフォニーホール、ボルティモア

1バーバーヴァイオリン協奏曲 Op.14第1楽章 アレグロ
2バーバーヴァイオリン協奏曲 Op.14第2楽章 アンダンテ
3バーバーヴァイオリン協奏曲 Op.14第3楽章 プレスト・イン・モート・ペルペトゥオ 
4ブロッホバール・シェム懺悔
5ブロッホバール・シェム即興
6ブロッホバール・シェム歓喜
7ウォルトンヴァイオリン協奏曲第1楽章 アンダンテ・トランクィロ
8ウォルトンヴァイオリン協奏曲第2楽章 プレスト・カプリツィオーソ・アラ・ナポリターナ
9ウォルトンヴァイオリン協奏曲第3楽章 ヴィヴァーチェ

 新しい録音です。ジョシュア・ベルのヴァイオリンを音色をちょっと珍しめの曲で楽しむCDです。1967年生まれですから、美青年のルックスでデビューした彼も、今や中年オヤジの年代です。ただしこの録音のころはまだ20代なわけで、なかなか意欲的な選曲だと思います。 録音は文句なし。ヴァイオリンソロとオーケストラのバランス、距離感、残響の混ざり方、すべて丁度よい感じ。とげとげしいところやドロドロしたところがなく、落ち着いて聴けて、安心感のある録音といえます。そんなこともあってバール・シェムなんかも比較的爽やかに仕上がっています。20世紀の作品でありながら、現代曲というよりロマン派の音楽として聴けますが、バーバーの3楽章はスリリングな丁々発止のやり取りなんかもあり、ボルティモア響もなかなか頑張っています。

 以前、2005年ごろでしたでしょうか、オルフェウス室内管弦楽団との共演していた映像をTVで見たことがあるますが、その時はベートーヴェンの協奏曲、アンコールにクライスラーの小品と映画「レッド・ヴァイオリン」か何かを弾いていたと思います。ベルは「レッド・ヴァイオリン」でヴァイオリンの演奏を担当していたんですね。

      
紙ジャケはこのCDの斜めを
真っ直ぐにしたデザイン 

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

幻の映像!ショルティの「魔笛」 10/15(土)深夜のNHK-BSは必見

 明日10/15(土)深夜というか10/16(日)早朝にNHK-BSプレミアムでショルティの「魔笛」が放映されます。これは私にとって幻の映像、1991年のザルツブルグでの上演ですから20年の時を超えて再放送、というのはそれだけで大事件です。当時VHSで録画したのですが3倍モードですので画質が悪く、ずっと再放送かDVDの発売を待っていました。要するに20年待っていたわけです。(2000年ごろ一度再放送されたらしいのですが、見逃してしまっています。残念。)

 ルネ・パーペのザラストロやルチアーナ・セッラの夜の女王など、キャストも魅力的ですが、老いても冴えわたるショルティの指揮が見ものです。ときどきオケピットで自らチェレスタを弾くなど、大活躍の様子をハイビジョンカメラがしっかりとらえています。なぜ今まで再放送されなかったか不思議なのですが、まずは再放送されることを素直に喜びたいです。

 1991年ごろはNHKがハイビジョンカメラで演奏会やオペラをどんどん取り始めた時期。モーツァルトの歌劇ではハイティンクのフィガロの結婚、アバドのドン・ジョヴァンニ、国内ではチェリビダッケのブルックナー8番、コープマンのモーツァルト交響曲全集なんかもハイビジョンで撮っていたのではないでしょうか。キーロフ歌劇場でゲルギエフがブレイクしたのがこのもう少し後くらいでしょうか。この辺の時代の蔵出し映像、もっと放送してほしいです。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その5 バルトリ/イタリア語による古典歌曲集

5枚目のCDです。

バルトリ/イタリア語による古典歌曲集
演奏: メゾ・ソプラノ・・・チェチーリア・バルトリ、ピアノ・・・アンドラーシュ・シフ
録音: 1992年8月、コンツエルトハウス・モーツァルト・ザール、ウィーン

1ベートーヴェンカンツォネッタ「旅立ち」 WoO.124
2ベートーヴェン4つのアリエッタと1つの二重唱曲 Op.82第3曲 愛のいらだち
3ベートーヴェン4つのアリエッタと1つの二重唱曲 Op.82第4曲 いらだつ恋人
4ベートーヴェン4つのアリエッタと1つの二重唱曲 Op.82第2曲 愛の嘆き
5ベートーヴェン4つのアリエッタと1つの二重唱曲 Op.82第1曲 希望
6ベートーヴェンこの暗い墓にWoO.133
7モーツァルトカンツォネッタ 静けさはほほえみつつ K.152(210a)
8シューベルトどれほど熱愛していることか… アリア 「ああ、私を見捨てないで」 D.510
9シューベルト森にて D.738
10シューベルト牧場の羊飼いの娘 D.528
11シューベルト4つのカンツォーネ第1曲 骨壷に手を触れないで
12シューベルト4つのカンツォーネ第2曲 見よ、何と青白き月よ
13シューベルト4つのカンツォーネ第3曲 その顔からは私は学んだ
14シューベルト4つのカンツォーネ第4曲 愛しき者よ、思い出して
15シューベルト考えるのだ、今この時が D.76
16シューベルト歓迎と別れ D.767
17ハイドンカンタータ「ナクソス島のアリアドネ」 XXVIb-2


 大作曲家4人によるイタリア語による歌曲を集めたCD。しかも発売当時、大半が唯一CD、という珍しい選曲です。バルトリとシフのCDでの共演もこれが初めて。こういう企画が成立したのも、バルトリとシフ、というデッカレーベルの看板ともいえる演奏者の組み合わせであったからこそ、ということなのでしょうか。

 ウィーンのモーツァルトザールの美しい残響、ほどよい距離感のピアノの伴奏。やわらかで繊細なタッチで丁寧に伴奏するシフの演奏が、バルトリの美声を弾きたてています。フォルテの場面でも決してうるさくならない、癒し系の優秀録音と思います。ドイツ語によくある刺激的な発音の少ない、イタリア語の発音もこの演奏の雰囲づくりに大きな役目を果たしているといえます。

 バルトリには似たような名前のCDがもう一つあります。「イタリア古典歌曲集」というもの。スカルラッティ、パイジェルロ、カッチーニ、ヴィヴァルディなどの曲が入っています。このCDは「イタリア語による古典歌曲集」。かなり紛らわしいです。

 ところで国内の初発売のときのジャケットデザインはこのCDの紙ジャケとは違っています。多分紙ジャケの方が、本家のオリジナルジャケットなんだとは思いますが。

    
紙ジャケのデザインはこれ これが似て非なるCD   こんなのもあります

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その4 アシュケナージのシベリウスとムソルグスキー

 4枚目のCDです。

シベリウス:交響曲第1番/ムソルグスキー(アシュケナージ編):組曲「展覧会の絵」
演奏: 指揮:ウラディーミル・アシュケナージ、フィルハーモニア管弦楽団
録音: 1984年10月(シベリウス)、1982年9月(ムソルグスキー)、ウォルサムストウ、アセンブリー・ホール、ロンドン
1シベリウス交響曲第1番 ホ短調 Op.39第1楽章 アンダンテ・マ・ノン・トロッポ - アレグロ・エネルジーコ
2シベリウス交響曲第1番 ホ短調 Op.39第2楽章 アンダンテ(マ・ノン・トロッポ レント)
3シベリウス交響曲第1番 ホ短調 Op.39第3楽章 スケルツォ アレグロ
4シベリウス交響曲第1番 ホ短調 Op.39第4楽章 フィナーレ
5ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」プロムナード - 小人
6ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」プロムナード - 古城
7ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」プロムナード - テュイルリーの庭 - ビドロ
8ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」プロムナード - 卵の殻をつけた雛の踊り - サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
9ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」プロムナード - リモージュの市場 - カタコンベ
10ムソルグスキー組曲「展覧会の絵」鶏の足の上に建つ小屋 - キエフの大門

ピアニストとしてデビューしたアシュケナージが指揮者としての活動も開始したのが1970年代後半でしょうか。最初にCDで出てきたのはベートーヴェンの交響曲だったと思います。第5番とレオノーレ序曲第3番で、1981年3月の録音です。その後アシュケナージは1981年11月にフィルハーモニア管弦楽団の首席客演指揮者になっています。そして最初に完成した交響曲全集がシベリウスでした。

 アシュケナージがピアニストとして最も力を入れていたのがラフマニノフだとすれば、指揮者として当時最も積極的に取り組んでいたのがシベリウスといえるでしょう。CDは1枚ずつリリースされていきましたが、最後にこの第1番を録音して全集が完成しました。私自身のシベリウス体験はC.デイヴィスとボストン交響楽団やオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の演奏などがベースになっています。それらに比べると、この演奏は指揮者の作曲者に対する熱い思いがよりストレートに伝わってくる情熱的な演奏になっていると思います。録音も素晴らしく、第3楽章の冒頭のティンパニの強打は、皮の振動が伝わってくるような生々しさが爽快です。

 ボーナストラックの「展覧会の絵」はアシュケナージ編となっていますが、ラヴェルの編曲版をベースにし、これに逆らうことなく、少し味付けを足したしたような編曲で、ラヴェル版の荒々しさが幾分和らいだ優雅な響きが、ところどころに感じられます。アシュケナージはピアノ独奏でもこの曲を録音しています。ピアノと指揮の両方でこの曲を録音した人は他にあまりいないように思います。

       
紙ジャケのデザインはこれ 


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その3 アシュケナージのラフマニノフ

3枚目のCDです。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番/同:ピアノ・ソナタ第2番
演奏: 指揮・・・アナトーレ・フィストラーリ、ロンドン交響楽団、ピアノ・・・ウラディーミル・アシュケナージ
録音: 1963年3月、ウォルサムストウ、アセンブリー・ホール、ロンドン(協奏曲)、1977年9月、オール・セインツ協会、ペーターシャム、イギリス(ソナタ)

1ラフマニノフピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30第1楽章 アレグロ・ノン・タント
2ラフマニノフピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30第2楽章 インテルメッツォ(アダージョ)
3ラフマニノフピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30第3楽章 フィナーレ(アラ・ブレーヴェ)
4ラフマニノフピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36第1楽章 アレグロ・アジタート
5ラフマニノフピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36第2楽章 ノン・アレグロ - レント
6ラフマニノフピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36第3楽章 アレグロ・モルト


 トラック4-6がボーナストラックです。前の2枚に比べるとややおっとりした安心感のある録音です。もちろんアシュケナージのテクニックや芸術性の素晴らしさは十分に克明にとらえています。

 現在は指揮者としての方が有名なアシュケナージですが、デッカレーベルへのデビューはもちろんピアニストとしてでした。1955年のショパンコンクールで2位、翌1956年にエリザベート王妃国際コンクールで優勝、さらに1962年にチャイコフスキーコンクールで優勝したアシュケナージが初めてイギリスを訪問した時に録音したのが、このラフマニノフの協奏曲第3番です。

 彼はこのイギリスの訪問を機にロンドンへ移住、1968年にはアイスランドに移り、1972年にはアイスランド国籍を得ています。事実上ソ連からイギリスへ亡命した形になった訳ですから、この1963年のイギリス訪問は彼の人生の最大といえる転換点なのではないでしょうか。20代半ばでの一世一代の決断を敢行、そんな時に録音されたこのラフマニノフのコンチェルトの演奏は、その後3度にわたる再録音とはまた違った価値があると思います。

  
紙ジャケと同じジャケットのCDが見つからなかったので、協奏曲第3番の再録音を3種紹介します。
合計4回も録音しているわけですから、この曲への思い入れが感じられます。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その2 アルヘンタの「エスパーニャ!」

2枚目のCDです。

シャブリエ:狂詩曲「スペイン」/リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲/グラナドス:アンダルーサ/モシュコフスキー:スペイン舞曲第1巻/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

演奏: 指揮・・・アタウルフォ・アルヘンタ、ロンドン交響楽団、ヴァイオリン・・・アルフレード・カンポーリ
録音: 1957年1月(チャイコフスキー以外)、1956年1月(チャイコフスキー)、キングズウェイホール、ロンドン

トラックリストは以下。
1シャブリエ狂詩曲「スペイン」
2リムスキー=コルサコフスペイン奇想曲 Op.34アルボラーダ
3リムスキー=コルサコフスペイン奇想曲 Op.34変奏曲
4リムスキー=コルサコフスペイン奇想曲 Op.34アルボラーダ
5リムスキー=コルサコフスペイン奇想曲 Op.34シェーナとジプシーの歌
6リムスキー=コルサコフスペイン奇想曲 Op.34アストゥリア地方のファンダンゴ
7グラナドス12のスペイン舞曲Op.37第5番ホ短調「アンダルーサ」
8モシュコフスキスペイン舞曲集 Op.12第1番 ハ長調
9モシュコフスキスペイン舞曲集 Op.12第2番 ト短調
10モシュコフスキスペイン舞曲集 Op.12第3番 イ長調
11モシュコフスキスペイン舞曲集 Op.12第4番 変ロ長調
12モシュコフスキスペイン舞曲集 Op.12第5番 ニ長調
13チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35第1楽章 アレグロ・モデラート
14チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35第2楽章 カンツォネッタ(アンダンテ)
15チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35第3楽章 フィナーレ(アレグロ・ヴィヴァーチシモ)

 アルヘンタはスペインの指揮者。1913年生まれですが1958年に不慮の事故で亡くなっています。このCDは、スペイン以外の作曲家がスペインを題材にして書いた曲を集めた、という面白い企画で、ステレオ初期の名盤として以前から名高いもの。チャイコフスキーがボーナストラックになっています。
 
 1957年の録音であること忘れさせてくれる、全く古さを感じさせない録音と演奏です。ロンドン交響楽団のアンサンブル技術は当時から安定していて、曇りや淀みのない、明快で小気味のよい演奏を聞かせてくれます。これらの曲では、もやつきやもたつきは禁物。多少ドライな感じがするくらいカラっとしたロンドン交響楽団の音色は曲想にも合っていてて、大変心地良いです。トラック5の冒頭の金管のファンファーレ、左右に思い切り分かれて聞こえるのはステレオ初期ならではのご愛敬、とも感じられ、こういうのを微笑ましく聴くのも楽しみです。

    
紙ジャケのデザインはこれ

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound を聴く その1 アンセルメのファリャとドビュッシー

1枚目から順に聴くことにしました。

ファリャ:三角帽子/同:「はかなき人生」から間奏曲と舞曲/ドビュッシー:管弦楽のための「映像」
演奏: 指揮・・・エルネスト・アンセルメ、スイスロマンド管弦楽団、ソプラノ・・・テレサ・ベルガンサ
録音: 1961年2月、3月、ビクトリアホール、ジェネバ、スイス

トラックリストを載せてみました。
1ファリャバレエ「三角帽子」序奏
2ファリャバレエ「三角帽子」第1部 第1曲 午後
3ファリャバレエ「三角帽子」第1部 第2曲 粉屋の女房の踊り
4ファリャバレエ「三角帽子」第1部 第3曲 ぶどう
5ファリャバレエ「三角帽子」第2部 第1曲 近所の人たちの踊り
6ファリャバレエ「三角帽子」第2部 第2曲 粉屋の踊り
7ファリャバレエ「三角帽子」第2部 第3曲 市長の踊り
8ファリャバレエ「三角帽子」第2部 第4曲 終幕の踊り
9ファリャ歌劇「はかなき人生」間奏曲とスペイン舞曲第1番
10ドビュッシー管弦楽のための「映像」ジーグ
11ドビュッシー管弦楽のための「映像」イベリア - 街の道と田舎の道
12ドビュッシー管弦楽のための「映像」イベリア - 夜の薫り
13ドビュッシー管弦楽のための「映像」イベリア - 祭りの日の朝
14ドビュッシー管弦楽のための「映像」春のロンド

 この50枚組のCDの特徴は、発売当時のカップリングを尊重しながら、CDの収録可能時間がLPに比べて長いため、余裕がある場合にはボーナストラックを追加していることです。1枚のCDとしての統一感を損なわないように、どんな曲を追加するかが企画担当の腕の見せ所といえるでしょう。このCDでは10から14がボーナストラックです。

 この演奏、1961年とは思えない臨場感のある生々しさが感じられ、さすがデッカの録音技術、と唸らせます。1トラックでカスタネットの手拍子のリアリティはなかなかのもので、オーディオチェックにも使えるかと思わせるほど。打楽器パートの明瞭感はドビュッシーの11トラックなどでも素晴らしいです。

 デッカにとってアンセルメは独墺系以外のレパートリー担当という位置づけで、フランス物やスペインものやバレエ音楽などんにも沢山の録音を残しています。若いころは本当にお世話になりました。アンセルメは1883年生まれで1969年に亡くなっています。数学者から転身して指揮者に転向したことは有名。ロシア・バレエ団の指揮者を務めたあと、スイス・ロマンド管弦楽団を創設、亡くなるまで55年もこのオケを振っていました。これはムラヴィンスキーやメンゲルベルクと並ぶ大記録です。ドビュッシー、ストラヴィンスキー、ファリャ、ラヴェル、プロコフィエフ、オネゲル、マルタンといった作曲家の作品のうち、アンセルメによって初演されたものがいくつもあります。この「三角帽子」もアンセルメが初演者です。この1枚が選ばれたのも納得できますね。

 アンセルメの他の演奏で気に入っているのものの一つにビゼーの交響曲があります。1楽章の冒頭の和音はいつ聴いても瑞々しく、ぞくぞくします。

   
紙ジャケのデザインはこれ 私のお気に入りのビゼー 

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

The Decca Sound が届いた。

本日届きました。実物を見て気がついたのですが、50枚の順番はアーティストのアルファベット順でした。
こんな感じです。

1 アンセルメ
2 アルヘンタ
3 アシュケナージ
4 アシュケナージ
5 バルトリ
6 ベル
7 ブロムシュテット
8 ベーム
9 ボスコフスキー
10 ブリテン
11 シャイー
12 チョン・キョンファ
13 カーゾン
14 ドホナーニ
15 ドラティ
16 デュトワ
17 フレミング
18 フレイレ
19 ハイティンク
20 ホグウッド
21 ヤンセン
22 カラヤン
23 カッチェン
24 ケルテス
25 キングズカレッジ合唱団
26 ラローチャ
27 レンパー
28 ルプー
29 マーク
30 マゼール
31 マッケラス
32 マリナー
33 マルティノン
34 メータ
35 モントゥー
36 ミュンヒンガー
37 ニルソン
38 パヴァロッティ
39 パヴァロッティ
40 ピケット
41 ロジェ
42 ルセ
43 シフ
44 ショルティ
45 ショルティ
46 サザーランド
47 タカーチ四重奏団
48 テバルディ
49 ウィーン八重奏団
50 ウィンチェスターカテドラル合唱団

 アシュケナージが2枚ありますが、これはピアニストと指揮者でそれぞれ1枚ずつ、というカウントのようです。
レンパーはなじみがないかもしれませんが、ドイツのシャンソン歌手とのこと。パヴァロッティも2枚ありますが、他の歌手との重唱だったりオペラの抜粋だったりするので、一人で2枚分とはちょっと違うかな、と思います。ショルティはロンドン交響楽団を振ったロシア物の管弦楽曲集とシカゴ交響楽団とのマーラーの8番、それにニルソンのところで伴奏でも登場しています。カラヤンでも1枚なのにショルティが延べ3枚なのは、ひとえにデッカレーベルへの貢献度の高さゆえと思います。

 漏れたアーティストもたくさんいます。特に器楽奏者、ピアニストを例にとると、バックハウスやグルダ、ボレットもいません。やはりデッカ・サウンドの凄さはオーケストラもので勝負、ということなのでしょうか。
 
 さらに一人の演奏者に一枚ずつ割り振るのですからどの録音を選ぶのかは相当な苦労があったはずです。自分だったほかの曲を選ぶのに、なんてことを思いながら、これからぼちぼち聴いて行こうと思います。



DGの黄色い箱や赤い箱とだいたい同じですが、
箱の上部が前後にパカッとあく感じで取り出しやすいです。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Decca Sound を注文しました。

 9/6のブログで紹介した、Decca Sound を本日ようやく注文しました。注文が今になってしまったのは、どこで買うのが安いのかを頑張って探していたからです。現時点ではAmazonで買うのが一番安いと思います。タワーレコードでは9,180円で91ポイントが付きます。HMVでも値段は同じで9,180円です。最近ではpontaのポイントか何かがつくのでしょうか。一方、Amazonでは8,350円!。しかも、ほかの輸入盤と2枚以上合わせて買うとさらに10%offになります。円高のメリットを生かして海外のサイトから買うほうが安いかも、と考えて、海外のAmazonも見てみましたが、送料まで考えると、今のところAmazonの方が安そうです。

 Amazonのクラシックのトップページでも華々しく宣伝されているので、いわゆる「広告の品」みたいなものかもしれません。HMVなどに比べて内容紹介も簡略なAmazonですが、このCDについては結構詳細に載っていますので、なんとなく力を入れているようにも感じます。

 完全限定盤とのことです。こういうCDは買い時が難しく、安くなるかも、と待っていると品切れになったりします。さきほど発送済みのメールも来ましたので、今回は確実にゲットできそうです。明日の到着したら、またぼちぼち順番に聴いて行くことにします。昔LPでお世話になった名盤あり、新しくて未聴のものあり、というラインナップなのでしばらくは楽しめそうです。



DGの黄色い箱や赤い箱と同じ大きさなんだろうか? 

テーマ : クラシック
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子供の頃からクラシック音楽を聴き始めて30年になります。職業は普通の会社員です。今はもっぱら自宅でDVDやBS放送で音楽鑑賞しています。

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