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若き巨匠達の競演 メンデルスゾーンの八重奏曲(1989)

 サントリーホールで行われた室内楽の演奏会がテレビで放映されました。メインの曲はメンデルスゾーンの八重奏曲。メンバーがすごかったです。ヤン・ウク・キム、古澤巌、漆原啓子、松原勝也(以上、Vn)、今井信子、豊嶋泰嗣(以上Va)、堤剛、ヨー・ヨー・マ(以上Vc)。多分二度とこんなメンバーがあつまることはないのでは、と思えるような顔合わせです。

 一人一人がソリストですから、こんな方たぢが8人でアンサンブルがまとまるんだろうかと心配しましたが、まったくの杞憂でした。アンサンブルは完璧に仕上がった上で、いい意味で手に汗握るエキサイティングな演奏でした。メンデルスゾーンの八重筝曲でこんなに興奮したことは後にも先にもありません。

 この曲は弦楽四重奏曲がちょうど2セット必要なのですが、アンサンブルはともかく、音量のバランスをとるのがとても難しい曲だと思います。皆が自己を主張すると、ただの騒がしい音符が多いだけの曲になってしまいます。全員が、自分の役割を正しく理解して出るところは出て、譲るところは譲る、という音楽的センスがあって初めていい演奏になるような気がします。

 このときの演奏は、それが絶妙にはまっていました。第一楽章の出しのやわらかい感じや、スケルツォの軽くはねる感じがうまく表現されている一方で、終楽章ではお互いがいい意味で刺激しあいながら、おおきなうねりをつくって全員が一丸となって盛り上がって、壮大なフィナーレになっていました。
ステージでお互いの音楽に刺激をうけながら、だんだんテンションが上がっていくような演奏でした。

 さらにそれを楽しみながらやっているのが映像から判ります。ヨー・ヨー・マなんかは他の人のフレーズを微笑みながら眺めつつ、その次に自分が同表現するかをその場で考えて、リアルタイムでフィードバックをかけながら演奏しているようにすら見えます。技術的に音楽的にも余裕綽々で演奏できているということなのだと思います。

これも結構興奮します  往年の名盤ですね  緻密なアンサンブル
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オルフェウス室内管弦楽団、2度目の来日(1989)

 前の年にオーボエのホリガーと来たのが初来日だったと思います。ドイツグラモフォンからCDを出すようになって、日本でも人気が出てきたのがこの頃です。1989年の来日公演はNHKの教育テレビでも放送され、指揮者なし演奏する彼らの姿を見ることができた人も多かったのではないでしょうか。

 この時の演奏曲目は以下の通り。メンデルスゾーンの弦楽器のための協奏曲第8番、モーツァルトのクラリネット協奏曲、ブラームスのセレナード第2番、そしてアンコールにロッシーニの「絹のはしご」序曲、グリーグのホルベルグの前奏曲。その後の彼らのレパートリーの広さをミニチュア化したようなプログラムのように思えます。

 中で最も印象的だったのがメンデルスゾーン。実は、こんな曲があることを私はこのときまで知りませんでした(すっかり気に入ってしまったので、その後、この弦楽のための交響曲は別団体のCDで全曲聴きました)。精緻なアンサンブル、明確な意思が感じられるダイナミックス、自由でしなやか表情づけ、そして明るく軽快なテンポ感。このメンデルスゾーンの初期の作品の演奏にはそんなセンスが必要だと思うのですが、オルフェウスにはそれらが全部備わっているように感じられました。

 指揮者がいないと、音を合わせることを気にしすぎてテンポをあまり揺らさないようにしたり、リズムパートを強調して堅苦しい演奏になってしまうように考えがちですが、彼らはまったく逆でした。指揮者がいない分、演奏者が自由に表情をつくれるので、むしろ表現は濃厚なものになっていて、それを各自が楽しみながら演奏し、にもかかわらず不思議と20数人の音が全部ぴったりと合っている、そんな風に見えました。

 オルフェウス・プロセスなどと言われて音楽以外の分野からも注目されているようですが、やはり皆が納得するまで議論して音楽の完成度を高めていくのは、それなりに時間がかかると思います。有名になりすぎてその辺がおろそかにならないようにして、今後も活躍して欲しいと思っています。

全曲聴いてみたいです  ロッシーニもウマが合う グリーグとチャイコ弦セレ
    

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子供の頃からクラシック音楽を聴き始めて30年になります。職業は普通の会社員です。今はもっぱら自宅でDVDやBS放送で音楽鑑賞しています。

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