中年おやじが語るクラシック音楽

最近見たこと聴いたことや昔の話などをランダムに書いていきます。毎晩9時ごろに更新するのが目標です。

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 バロックより前の時代の音楽の演奏会で聴衆を楽しませるには、普通のクラシック音楽を演奏するのとまた別の才能が必要だと感じています。一番大事なのは、作曲者と同じくらいに発想を豊かにして、情報の足りない部分を思い切って創作してしまうような大胆さなのではないかと思います。

 現在のクラシック音楽演奏は原典尊重が最重要とされています。たとえばオペラの演出で、どんなに舞台が斬新なことをやっていても、オケピットの中から出てくる音楽はあくまで原曲であるのが普通です。演奏者は、作曲者が残した譜面にこそ答えがあると信じて、あくなき研究をするわけです。ところが古い時代の曲になりますと、原典となるものがあまり頼りにならないことがよくあります。自分で想像力を働かせて、情報がない部分は作曲したり即興で補ったりしなければなりません。

 そこで、タブラトゥーラ。つのだたかしさん率いる日本人のグループです。彼らの手にかかると、古い音楽がたちまち息を吹き返して、今作曲された曲と錯覚してしまいそうなくらい生き生きと感じられるのです。演奏される曲の中には本当に古い時代に作曲されたものと、本人達が作曲した曲が混ざっているのですが、聴いている方にはその境い目が判らないほど自然につながって聴こえます。見慣れぬ楽器の音色も新鮮ですし、リズム感も抜群で現代のジャズを聴いているようです。演奏する姿も本当に楽しそうに見えます。

 古楽を学術研究の対象として捉えるだけではなく、エンターテイメントとして現代人に積極的に広めていこうとする活動はぜひ応援したいです。古代や中世の音楽を学問的に真剣に研究して再現しようと努力している人達の存在は重要です。音楽史を語る上で、たとえばマンロウなどの業績は決して避けて通るわけにはいかないでしょう。そういう演奏を聴くのも大変興味深いものですが、一方でつのださんたちの演奏を聴くのも大変楽しくて大好きです。

 まずはベストアルバム   地中海風の異国情緒  歌あり器楽ありで楽しげ