The Decca Sound を聴く その30 マゼールのレスピーギほか
30枚目のCDです。
レスピーギ:交響詩「ローマの祭」、「ローマの松」、リムスキー=コルサコフ:「金鶏」組曲
演奏: 指揮・・・ロリン・マゼール、クリーブランド管弦楽団
録音: 1976年5月(レスピーギ)、1979年10月(R.コルサコフ)、メイソニック・オーディトリアム、クリーブランド
ロリン・マゼール(1930- )はフランス生まれですがアメリカの指揮者です。Maazelと書くので、マーゼルと発音してもよさそうですが、カタカナ表記はマゼールです。ずっと昔はマーツェルと書かれていたこともあったと思います。今ではすっかり巨匠然としているマゼールですが、クリーブランド管弦楽団を指揮していた1970年代は、ダイナミックで、大胆なデフォルメも厭わない個性的な解釈で、鬼才ぶりをふんだんに発揮していました。彼の個性が生きた名盤として、Deccaに録音したプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」やテラークに録音したストラヴィンスキーの「春の祭典」などが印象に残っています。
このディスクに収録された「ローマの祭り」も彼の演奏の特徴に合った曲の一つではないでしょうか。ローマ三部作の中でも、最も破天荒で、華麗と喧騒が入り混じった熱狂的な曲想にマゼールの個性がうまくハマった名盤といえると思います。
録音の良さもそれにこたえています。複雑なオーケストレーションを克明にとらえた絶妙なミキシング技術、残響を少なめに抑えて個々のパートをはっきり聞かせようとするマイクセッティング、クライマックスで唸るように出てくるパイプオルガンの超重低音など、聴かせどころ満載で、エンジニアの面目躍如といったところでしょうか。
同じDeccaでも後にデュトワがモントリオール響と録音したディスクでは音づくりがだいぶ違っています。残響を上手く混ぜ合わせて、雰囲気と気品を備えたデュトワの録音とこのマゼールの録音を比較するもの一興です。
紙ジャケのデザインは見つからず 名盤ロメジュリ このハルサイもすごい
レスピーギ:交響詩「ローマの祭」、「ローマの松」、リムスキー=コルサコフ:「金鶏」組曲
演奏: 指揮・・・ロリン・マゼール、クリーブランド管弦楽団
録音: 1976年5月(レスピーギ)、1979年10月(R.コルサコフ)、メイソニック・オーディトリアム、クリーブランド
| 1 | レスピーギ | 交響詩「ローマの祭り」 | チルチェンセス |
| 2 | レスピーギ | 交響詩「ローマの祭り」 | 五十年祭 |
| 3 | レスピーギ | 交響詩「ローマの祭り」 | 十月祭 |
| 4 | レスピーギ | 交響詩「ローマの祭り」 | 主顕祭 |
| 5 | レスピーギ | 交響詩「ローマの松」 | 第1部 ボルゲーゼ荘の松 |
| 6 | レスピーギ | 交響詩「ローマの松」 | 第2部 カタコンブ付近の松 |
| 7 | レスピーギ | 交響詩「ローマの松」 | 第3部 ジャニコロの松 |
| 8 | レスピーギ | 交響詩「ローマの松」 | 第4部 アッピア街道の松 |
| 9 | リムスキー=コルサコフ | 歌劇「金鶏」から4つの音楽的絵画 | 第1曲 序奏とドドン王の眠り |
| 10 | リムスキー=コルサコフ | 歌劇「金鶏」から4つの音楽的絵画 | 第2曲 戦場のドドン王 |
| 11 | リムスキー=コルサコフ | 歌劇「金鶏」から4つの音楽的絵画 | 第3曲 ドドン王とシェマハの女王の踊り |
| 12 | リムスキー=コルサコフ | 歌劇「金鶏」から4つの音楽的絵画 | 第4曲 婚礼の祝宴とドドン王の哀れな末路と死-終曲 |
ロリン・マゼール(1930- )はフランス生まれですがアメリカの指揮者です。Maazelと書くので、マーゼルと発音してもよさそうですが、カタカナ表記はマゼールです。ずっと昔はマーツェルと書かれていたこともあったと思います。今ではすっかり巨匠然としているマゼールですが、クリーブランド管弦楽団を指揮していた1970年代は、ダイナミックで、大胆なデフォルメも厭わない個性的な解釈で、鬼才ぶりをふんだんに発揮していました。彼の個性が生きた名盤として、Deccaに録音したプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」やテラークに録音したストラヴィンスキーの「春の祭典」などが印象に残っています。
このディスクに収録された「ローマの祭り」も彼の演奏の特徴に合った曲の一つではないでしょうか。ローマ三部作の中でも、最も破天荒で、華麗と喧騒が入り混じった熱狂的な曲想にマゼールの個性がうまくハマった名盤といえると思います。
録音の良さもそれにこたえています。複雑なオーケストレーションを克明にとらえた絶妙なミキシング技術、残響を少なめに抑えて個々のパートをはっきり聞かせようとするマイクセッティング、クライマックスで唸るように出てくるパイプオルガンの超重低音など、聴かせどころ満載で、エンジニアの面目躍如といったところでしょうか。
同じDeccaでも後にデュトワがモントリオール響と録音したディスクでは音づくりがだいぶ違っています。残響を上手く混ぜ合わせて、雰囲気と気品を備えたデュトワの録音とこのマゼールの録音を比較するもの一興です。
紙ジャケのデザインは見つからず 名盤ロメジュリ このハルサイもすごい
エマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者が交代!
ドイツ・グラモフォンレーベルの看板アーティストであるエマーソン弦楽四重奏団。1976年からチェロ奏者を務めてきたデイヴィッド・フィンケル(60)がこのたび、ポール・ワトキンス(42)に交代するそうです。
グラモフォンの記事
彼らが有名になったのはグラモフォンレーベルと契約してからだと思います。そのころからメンバーが変わっていないので、創立当初以来のメンバー交代かと思ったら、実は1976の創立間もないころにヴィオラとチェロが交代しているようです。
とはいえ、約30年慣れ親しんできた、なじみの顔ぶれの一人が変わるわけですから、彼らの演奏様式がこれからどいうふうに変化するか楽しみです。
最新盤プロシア王セット バルトーク メンデルスゾーン チャイコとボロディン
グラモフォンの記事
彼らが有名になったのはグラモフォンレーベルと契約してからだと思います。そのころからメンバーが変わっていないので、創立当初以来のメンバー交代かと思ったら、実は1976の創立間もないころにヴィオラとチェロが交代しているようです。
とはいえ、約30年慣れ親しんできた、なじみの顔ぶれの一人が変わるわけですから、彼らの演奏様式がこれからどいうふうに変化するか楽しみです。
最新盤プロシア王セット バルトーク メンデルスゾーン チャイコとボロディン
The Decca Sound を聴く その29 ペーター・マークのメンデルスゾーン
29枚目のCDです。
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、「真夏の夜の夢」序曲と付随音楽
演奏: 指揮・・・ペーター・マーク、ソプラノ・・・ジェニファー・ヴィヴィアン、マリオン・ロウ、ロンドン交響楽団、コヴェントガーデン王立歌劇場女声合唱団
録音: 1960年4月(交響曲)、1957年2月(夏の夜の夢)、キングズウェイホール、ロンドン
ペーター・マーク(1919 - 2001)はスイス出身の指揮者。90年代は都響を振っていたので、日本での知名度もそれなりにあるのですが、このCDに入っている演奏は、マークといえば「スコットランド」、「スコットランド」といえばマーク、といえるくらい有名な名盤です。
弦の刻みが大変克明で16分音符の一つ一つがきちんと分離して聴こえてきて、スコアの隅々まで見通せるようにきちんと整理された、折り目正しい楷書書きの演奏です。Deccaサウンドの特徴もその演奏スタイルにマッチしています。弓が弦に当たる音が耳元で聴こえてきそうな直接音重視の音づくりは、音楽の緊張感や格調を高める方向にうまく作用しています。夏の夜の夢なんかもメルヘンの世界、というより現実の世界、つまり今、そこで楽器が鳴っているようなリアリティがあります。
メンデルスゾーンの交響曲といえば、以前はカラヤンとベルリンフィルの演奏をよく聴いていました。レガート重視の美しさを追求した流線形を思わせるカラヤンの演奏も名盤として名高いですが、マークのアプローチと対照的で両者は全く違う曲のように聴こえて、興味深いです。
そういえば、マークにはマドリッド響とのメンデルスゾーンの交響曲全集もあります。基本コンセプトは似ていますが、こちらの方がやや穏やかで角が取れていてて、こちらの方が一般受けするかもしれません。
紙ジャケのデザインはこれ マドリッド響との全集
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、「真夏の夜の夢」序曲と付随音楽
演奏: 指揮・・・ペーター・マーク、ソプラノ・・・ジェニファー・ヴィヴィアン、マリオン・ロウ、ロンドン交響楽団、コヴェントガーデン王立歌劇場女声合唱団
録音: 1960年4月(交響曲)、1957年2月(夏の夜の夢)、キングズウェイホール、ロンドン
| 1 | 交響曲第3番 イ短調 Op.56 「スコットランド」 | 第1楽章 アンダンテ・コン・モート - アレグロ・ウン・ポコ・アジタート - アッサイ・アニマート |
| 2 | 交響曲第3番 イ短調 Op.56 「スコットランド」 | 第2楽章 ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ |
| 3 | 交響曲第3番 イ短調 Op.56 「スコットランド」 | 第3楽章 アダージョ |
| 4 | 交響曲第3番 イ短調 Op.56 「スコットランド」 | 第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチシモ - アレグロ・マエストーソ・アッサイ |
| 5 | 序曲「真夏の夜の夢」Op.21 | |
| 6 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第1曲 スケルツォ |
| 7 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第3曲 歌と合唱「舌先裂けたまだら蛇」 |
| 8 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第5曲 間奏曲 |
| 9 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第7曲 夜想曲 |
| 10 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第9曲 結婚行進曲 |
| 11 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第11曲 ベルガマスク舞曲 |
| 12 | 劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61 | 第12曲 終曲 |
ペーター・マーク(1919 - 2001)はスイス出身の指揮者。90年代は都響を振っていたので、日本での知名度もそれなりにあるのですが、このCDに入っている演奏は、マークといえば「スコットランド」、「スコットランド」といえばマーク、といえるくらい有名な名盤です。
弦の刻みが大変克明で16分音符の一つ一つがきちんと分離して聴こえてきて、スコアの隅々まで見通せるようにきちんと整理された、折り目正しい楷書書きの演奏です。Deccaサウンドの特徴もその演奏スタイルにマッチしています。弓が弦に当たる音が耳元で聴こえてきそうな直接音重視の音づくりは、音楽の緊張感や格調を高める方向にうまく作用しています。夏の夜の夢なんかもメルヘンの世界、というより現実の世界、つまり今、そこで楽器が鳴っているようなリアリティがあります。
メンデルスゾーンの交響曲といえば、以前はカラヤンとベルリンフィルの演奏をよく聴いていました。レガート重視の美しさを追求した流線形を思わせるカラヤンの演奏も名盤として名高いですが、マークのアプローチと対照的で両者は全く違う曲のように聴こえて、興味深いです。
そういえば、マークにはマドリッド響とのメンデルスゾーンの交響曲全集もあります。基本コンセプトは似ていますが、こちらの方がやや穏やかで角が取れていてて、こちらの方が一般受けするかもしれません。
紙ジャケのデザインはこれ マドリッド響との全集
The Decca Sound を聴く その28 ラドゥ・ルプーの弾くベートーヴェン
28枚目のCDです。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」、第8番「悲愴」、第21番「ワルトシュタイン」、創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO 80
演奏: ピアノ・・・ラドゥ・ルプー
録音: 1972年6月、デッカ・第3スタジオ、ウエスト・ハンプステッド、ロンドン(ソナタ)、1970年11月、キングズウェイホール、ロンドン(変奏曲)
ラドゥ・ルプー(1945 - )はルーマニア出身のピアニスト。彼もアシュケナージ、ラローチャなどと並んでDeccaの看板アーティストの一人といえるでしょう。最近の録音がないな、と思っていたら、1993以レコーディング活動を拒否しているんですね。
叙情派、リリシストなどとよく形容されるルプーの1枚として、ベートーヴェンが選ばれています。シューベルトやシューマンでもよかったのでは、とも思いますが、敢えてベートーヴェンを聴いてみることで、彼の特質をより明確に知ることができるかもしれません。ベートーヴェンのソナタ、というと、堅牢なバックハウス、知的なグルダ、強靭なギレリスなど、数多くの名盤と比較ができるわけですから。
「悲愴」の第1楽章冒頭、強烈で目の覚めるような打鍵で劇的な表現を期待していると、見事に裏切られます。しっかりとした意思は感じさせつつ、力任せではなく、そっと語りかけるようなフォルテ、というのが彼の特徴の一つだと思います。同じルーマニア出身のチェリビダッケの指揮するベートーヴェンの交響曲もそういうところがあって、何か共通点があるような気がします。単なる偶然かもしれませんが。
紙ジャケのデザイン 代表的録音の一つ シューベルトの即興曲 シューマンの子供の情景など
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」、第8番「悲愴」、第21番「ワルトシュタイン」、創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO 80
演奏: ピアノ・・・ラドゥ・ルプー
録音: 1972年6月、デッカ・第3スタジオ、ウエスト・ハンプステッド、ロンドン(ソナタ)、1970年11月、キングズウェイホール、ロンドン(変奏曲)
| 1 | ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」 | 第1楽章 アダージョ・ソステヌート |
| 2 | ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」 | 第2楽章 アレグレット |
| 3 | ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」 | 第3楽章 プレスト・アジタート |
| 4 | ピアノソナタ第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」 | 第1楽章 グラーヴェ - アレグロ・モルト・エ・コン・ブリオ |
| 5 | ピアノソナタ第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」 | 第2楽章 アダージョ・カンタービレ |
| 6 | ピアノソナタ第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」 | 第3楽章 ロンド・アレグロ |
| 7 | ピアノソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」 | 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ |
| 8 | ピアノソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」 | 第2楽章 アダージョ・モルト |
| 9 | ピアノソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」 | 第3楽章 アレグレット・モデラート - プレスティッシモ |
| 10 | 創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO 80 |
ラドゥ・ルプー(1945 - )はルーマニア出身のピアニスト。彼もアシュケナージ、ラローチャなどと並んでDeccaの看板アーティストの一人といえるでしょう。最近の録音がないな、と思っていたら、1993以レコーディング活動を拒否しているんですね。
叙情派、リリシストなどとよく形容されるルプーの1枚として、ベートーヴェンが選ばれています。シューベルトやシューマンでもよかったのでは、とも思いますが、敢えてベートーヴェンを聴いてみることで、彼の特質をより明確に知ることができるかもしれません。ベートーヴェンのソナタ、というと、堅牢なバックハウス、知的なグルダ、強靭なギレリスなど、数多くの名盤と比較ができるわけですから。
「悲愴」の第1楽章冒頭、強烈で目の覚めるような打鍵で劇的な表現を期待していると、見事に裏切られます。しっかりとした意思は感じさせつつ、力任せではなく、そっと語りかけるようなフォルテ、というのが彼の特徴の一つだと思います。同じルーマニア出身のチェリビダッケの指揮するベートーヴェンの交響曲もそういうところがあって、何か共通点があるような気がします。単なる偶然かもしれませんが。
紙ジャケのデザイン 代表的録音の一つ シューベルトの即興曲 シューマンの子供の情景など
The Decca Sound を聴く その27 ウテ・レンパーが歌う ベルリン・カバレット歌曲集
27枚目のCDです。
ベルリン・カバレット歌曲集
演奏: ボーカル・・・ウテ・レンパー、マトリックス・アンサンブル、ロバート・ツィーグラー、ピアノ・・・ジェフ・コーエン
録音:1996年1月、2月、CTS第2スタジオ、ロンドン
ウテ・レンパー(1963 - )はドイツのシャンソン歌手。このCDはクラシックではありません。なぜこのBOXに入ったのか?Deccaには他にもバックハウスとかグルダとか、偉大な演奏家もいるではないか?などと考えながら英語のブックレットを読んでいたら、理由がわかってきました。
Deccaの偉業のひとつに、ドイツのいわゆる「退廃音楽(Entartete Musik)」をシリーズ化した一連の録音があります。ナチス・ドイツによって弾圧されたり、禁じられたりていた音楽に光を当てたもので、作曲家としては、ゴルトシュミット、ハース、ウルマン、コルンゴルド、シュレーマー、ツェムリンスキー、クラーサ、ウォルベ、などの作品、演奏家は指揮者のローター・ツァグロゼクらが中心となり、シャイーやラトル、デュトワ、ヨー・ヨー・マ、ザビーネ・マイヤーなども起用されています。廃盤になってしまっているものも多い中、この1枚が代表として50枚のボックスに選ばれた、ということなのだと思います。
抑圧されればされるほど発散や快楽を求める人間のサガが、キャバレーソングという形で色濃く表出された、という感じの曲と演奏です。ドイツ語の歌詞をリアルタイムで理解する力は私にはありませんが、タイトルを見ただけで刺激的な内容であることはわかります。レンパーはあるときは自由奔放、かと思えば、呟いたり、酔っぱらったように歌ったり、艶かしかったり、悲しそうに歌ったり、自由自在の演出力で当時の雰囲気(本当のことは知る由もありませんが)を彷彿させる一枚、といってよいでしょう。
紙ジャケのデザイン ヴァイルの歌曲集(2枚とも) レンパーのベスト盤
DVDもあります これも(リージョン1ですが)
ベルリン・カバレット歌曲集
演奏: ボーカル・・・ウテ・レンパー、マトリックス・アンサンブル、ロバート・ツィーグラー、ピアノ・・・ジェフ・コーエン
録音:1996年1月、2月、CTS第2スタジオ、ロンドン
| 1 | ダマしの世界 | |
| 2 | セックス・アピール | |
| 3 | ペーター,ペーター,戻ってきて! | |
| 4 | ハイ・ソサエティーの歌 | |
| 5 | 女の親友同志 | |
| 6 | 私は娼婦(ヴァンプ) | |
| 7 | 青色の時 | |
| 8 | 脱ぎな,ペトロネラ! | |
| 9 | 男どもを追い出せ! | |
| 10 | 過去の男 | |
| 11 | …と仮定して | |
| 12 | 私は誰のものなの | |
| 13 | むらさきの歌 | |
| 14 | 男性的-女性的 | |
| 15 | 今日は暴虐のタメランになりたい気分 | |
| 16 | 小さなあこがれ | |
| 17 | みんな子供にかえろう! | |
| 18 | ほら男爵 | |
ウテ・レンパー(1963 - )はドイツのシャンソン歌手。このCDはクラシックではありません。なぜこのBOXに入ったのか?Deccaには他にもバックハウスとかグルダとか、偉大な演奏家もいるではないか?などと考えながら英語のブックレットを読んでいたら、理由がわかってきました。
Deccaの偉業のひとつに、ドイツのいわゆる「退廃音楽(Entartete Musik)」をシリーズ化した一連の録音があります。ナチス・ドイツによって弾圧されたり、禁じられたりていた音楽に光を当てたもので、作曲家としては、ゴルトシュミット、ハース、ウルマン、コルンゴルド、シュレーマー、ツェムリンスキー、クラーサ、ウォルベ、などの作品、演奏家は指揮者のローター・ツァグロゼクらが中心となり、シャイーやラトル、デュトワ、ヨー・ヨー・マ、ザビーネ・マイヤーなども起用されています。廃盤になってしまっているものも多い中、この1枚が代表として50枚のボックスに選ばれた、ということなのだと思います。
抑圧されればされるほど発散や快楽を求める人間のサガが、キャバレーソングという形で色濃く表出された、という感じの曲と演奏です。ドイツ語の歌詞をリアルタイムで理解する力は私にはありませんが、タイトルを見ただけで刺激的な内容であることはわかります。レンパーはあるときは自由奔放、かと思えば、呟いたり、酔っぱらったように歌ったり、艶かしかったり、悲しそうに歌ったり、自由自在の演出力で当時の雰囲気(本当のことは知る由もありませんが)を彷彿させる一枚、といってよいでしょう。
紙ジャケのデザイン ヴァイルの歌曲集(2枚とも) レンパーのベスト盤
DVDもあります これも(リージョン1ですが)

